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【レポート】『ウェルテル!』 読書会 〜ウェルテルはYoutuber!?〜

SPACシアタークルー(ボランティアスタッフ)として『ウェルテル!』の制作の
お仕事をお手伝いいただいている、仁科太一さんが、先日開かれた読書会の様子をレポートしてくれました。

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こんにちは。
シアタークルーの仁科です。
4月16日(日)にカフェ・シンデレラにて『ウェルテル!』読書会を開催しました。

学生さんやSPACのスタッフの方を含め、10名の方にお集まりいただき、僕はナビゲーターとして参加しました。

写真1
(中央で演劇祭のパンフレットを持っています。)

今年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」のオープニングを飾る作品『ウェルテル!』は、ドイツの文豪ゲーテの古典『若きウェルテルの悩み』を原作とし、翻案・構成されています。

今回は、本番の舞台を観る前に一度原作に触れてみたら、より豊かな観劇体験ができるのではないか思い、難解と思われがちなドイツの古典文学を「試し読み」できる場として、読書会を企画しました。

写真2

お菓子とお茶をいただきながら、自己紹介をし、ゆる〜くスタート。

『若きウェルテルの悩み』は「書簡体」というスタイルで書かれた小説ですが、「そもそも書簡体小説って・・・?」という初歩的な話からはじまりました。

この小説では、主人公ウェルテルが友人に宛てた手紙が日付順に並んでいて、ロッテとの出会いから最後の別れまで、ストーリーが展開していき、日記のような感覚で読めます。

今回は、ウェルテルが「六月一六日」に友人ヴィルヘルムに宛てた手紙をみんなで読んでいきました。「六月一六日」はものすごく長いのですが(なんと8ページ分!)、この箇所には、美しく聡明な女性ロッテとの出会いのいきさつと、そのときのウェルテルの思考が緻密に書かれています。

一段落ごとに読み手を交代し、声に出しながら、感想をシェアしながらじっくり読んでいくと、新しい発見もたくさんありました。

写真3

そんな感想やディスカッションの内容を3つご紹介!

1 ~はっきりもの言うドイツ人?~
ウェルテルは舞踏会でパートナーになった女の子を「美人だけれども別にきわだったところのない女の子」と評したり、ロッテは友だちから借りた本を「あの本は気に入らないわ」と言って返したりします。

ウェルテルとロッテの発言は、遠慮がなく率直すぎないか、そういう人をどう思うか皆さんに聞いてみました。

ウェルテルやロッテのように、はっきりものをいう人は鼻につくのでは?と僕は思っていたのですが、これは日独のコミュニケーションの取り方の違いではないか、という意見がありました。僕もドイツに留学していて感じたのですが、
たしかにドイツでは自分の意見をはっきり言う人も多いので、ウェルテルやロッテのような人柄にもドイツ人は意外と違和感が少ないのかもしれません。

2 ~長文の手紙が届いたら・・・?~
現代では、LINEやメッセンジャーで絵文字などを使って簡単にコミュニケーションが済むことも多く、ウェルテルのように長文の手紙を書いて誰かに送るという機会は減っているかもしれません。

もし、あなたが長文の手紙を受け取ったらどう思うか聞いてみました。

ウェルテルの熱い手紙にうんざりするという意見もあれば、こんなに真摯なやり取りができる友人がいて少し羨ましいという意見もありました。

LINEでは、会話のように短いやり取りができますが、じっくりと自分の思いを伝えることは難しいでしょう。
長文がわずらわしいという感覚は、もしかしたらメディアの変化によるものかもしれません。

3 ~ウェルテルは今で言うとYoutuber!〜

写真4

原作を読んだあと、『ウェルテル!』の舞台映像を見て、演出家のニコラス・シュテーマンが古典を現代の演劇として
どのように演出しているかについて話し合いました。

原作では、ウェルテルは手紙に自らの思いを綴っていますが、この舞台では、手紙に取って代わり、ウェルテルは自分の姿をビデオカメラに写し、ビデオレターとしてロッテへの想いなどを語っていきます。

このような演出がほどこされたウェルテルは、現代ではYoutuberにも見えるのでは?という面白い意見もありました。

たしかに、手紙は特定の親しい友人に宛てるものですが、Youtube、Facebook・Twitter・Instagramなど、不特定多数の人に向けたSNSでは、赤裸々な自分というよりは、ある程度ポップに演出した自分を発信しているのかもしれません。

そうした現代のコミュニケーションツールやあり方が演出に反映された『ウェルテル!』は、SNSを使いこなす若い世代の人にもオススメの作品です!

他にもたくさんの感想が出て、読書会は盛り上がりました!
参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

写真5

最後にもうワンポーズ!『ウェルテル!』ポーズがばっちり決まりました。

皆さんもぜひ観にきてください!

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ウェルテル!
演出:ニコラス・シュテーマン、出演:フィリップ・ホーホマイアー
原作:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
4月28日(金)19:00開演、4月29日(土)16:30開演、4月30日(日)15:30開演
静岡芸術劇場
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