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『火傷するほど独り』プレトークゲスト・上村聡史氏よりメッセージ

2014年度の主な演劇賞を受賞した衝撃作、『炎 アンサンディ』(作:ワジディ・ムアワッド、世田谷パブリックシアター)の演出を手掛けた上村聡史氏が、このたび5/7(土)の『火傷するほど独り』のプレトークゲストに決定!本公演のためにメッセージを寄せてくださいました!!ぜひご覧ください。

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『火傷するほど独り』の上演に寄せて

上村聡史

私が演出した『炎 アンサンディ』は“約束の血四部作”の二部目にあたるのだが、『沿岸』(2010年に静岡芸術劇場『頼むから静かに死んでくれ』で招聘公演)、『森』、『天空』、いずれもムワアッドの出身国と彼の出自のルーツにまつわる事象が、パワフルで繊細な文体でもって構成されていく。そして、その作劇は、演劇の持つ可能性を存分に信頼し、“物語”にいっそうの深みを与え、決して表層的な「起承転結」だけではない、人間の身体に内在する“血”と真摯に向かいあいながらも相対化している。これは相当な凄みである。なぜならどの作品でも、その匂いたつような人間の根源的な本能を劇空間へと放出しまうのだから。そして、それは彼が有能な演出者でもある証でもあり、何よりも俳優を信じているからだ。
この古典的でありながらも常に新しい表現形態を追求している芸術家、ワジディ・ムワアッドに日本人の私は、妬み、惹かれ続けていくのだと思う。

2016年4月16日

上村 聡史 KAMIMURA Satoshi
1979年(昭和54年)東京生まれ。2001年文学座附属演劇研究所に入所、06に座員に昇格。09年より文化庁新進芸術家海外留学制度により1年間イギリス・ドイツに留学。戯曲を深く読み込み立体化する手腕に定評があり小劇場から大劇場、古典から現代劇と幅広く活動する。『炎 アンサンディ』『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』の演出で第22回読売演劇大賞最優秀演出家賞、『アルトナの幽閉者』『信じる機械』の演出で毎日芸術賞第17回千田是也賞を受賞。演出を手がけた『炎 アンサンディ』は第69回文化庁芸術祭賞の大賞を受賞。

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2008_SEULScDR-(クレジット)

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『火傷するほど独り』
作・演出・出演:ワジディ・ムアワッド
5月7日(土)15:00 / 8日(日)13:00 静岡芸術劇場
☆公演の詳細はこちら
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