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blog 最終更新日:2017年4月20日 7:56 PM

【レポート】『ウェルテル!』 読書会 〜ウェルテルはYoutuber!?〜

SPACシアタークルー(ボランティアスタッフ)として『ウェルテル!』の制作の
お仕事をお手伝いいただいている、仁科太一さんが、先日開かれた読書会の様子をレポートしてくれました。

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こんにちは。
シアタークルーの仁科です。
4月16日(日)にカフェ・シンデレラにて『ウェルテル!』読書会を開催しました。

学生さんやSPACのスタッフの方を含め、10名の方にお集まりいただき、僕はナビゲーターとして参加しました。

写真1
(中央で演劇祭のパンフレットを持っています。)

今年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」のオープニングを飾る作品『ウェルテル!』は、ドイツの文豪ゲーテの古典『若きウェルテルの悩み』を原作とし、翻案・構成されています。

今回は、本番の舞台を観る前に一度原作に触れてみたら、より豊かな観劇体験ができるのではないか思い、難解と思われがちなドイツの古典文学を「試し読み」できる場として、読書会を企画しました。

写真2

お菓子とお茶をいただきながら、自己紹介をし、ゆる〜くスタート。

『若きウェルテルの悩み』は「書簡体」というスタイルで書かれた小説ですが、「そもそも書簡体小説って・・・?」という初歩的な話からはじまりました。

この小説では、主人公ウェルテルが友人に宛てた手紙が日付順に並んでいて、ロッテとの出会いから最後の別れまで、ストーリーが展開していき、日記のような感覚で読めます。

今回は、ウェルテルが「六月一六日」に友人ヴィルヘルムに宛てた手紙をみんなで読んでいきました。「六月一六日」はものすごく長いのですが(なんと8ページ分!)、この箇所には、美しく聡明な女性ロッテとの出会いのいきさつと、そのときのウェルテルの思考が緻密に書かれています。

一段落ごとに読み手を交代し、声に出しながら、感想をシェアしながらじっくり読んでいくと、新しい発見もたくさんありました。

写真3

そんな感想やディスカッションの内容を3つご紹介!

1 ~はっきりもの言うドイツ人?~
ウェルテルは舞踏会でパートナーになった女の子を「美人だけれども別にきわだったところのない女の子」と評したり、ロッテは友だちから借りた本を「あの本は気に入らないわ」と言って返したりします。

ウェルテルとロッテの発言は、遠慮がなく率直すぎないか、そういう人をどう思うか皆さんに聞いてみました。

ウェルテルやロッテのように、はっきりものをいう人は鼻につくのでは?と僕は思っていたのですが、これは日独のコミュニケーションの取り方の違いではないか、という意見がありました。僕もドイツに留学していて感じたのですが、
たしかにドイツでは自分の意見をはっきり言う人も多いので、ウェルテルやロッテのような人柄にもドイツ人は意外と違和感が少ないのかもしれません。

2 ~長文の手紙が届いたら・・・?~
現代では、LINEやメッセンジャーで絵文字などを使って簡単にコミュニケーションが済むことも多く、ウェルテルのように長文の手紙を書いて誰かに送るという機会は減っているかもしれません。

もし、あなたが長文の手紙を受け取ったらどう思うか聞いてみました。

ウェルテルの熱い手紙にうんざりするという意見もあれば、こんなに真摯なやり取りができる友人がいて少し羨ましいという意見もありました。

LINEでは、会話のように短いやり取りができますが、じっくりと自分の思いを伝えることは難しいでしょう。
長文がわずらわしいという感覚は、もしかしたらメディアの変化によるものかもしれません。

3 ~ウェルテルは今で言うとYoutuber!〜

写真4

原作を読んだあと、『ウェルテル!』の舞台映像を見て、演出家のニコラス・シュテーマンが古典を現代の演劇として
どのように演出しているかについて話し合いました。

原作では、ウェルテルは手紙に自らの思いを綴っていますが、この舞台では、手紙に取って代わり、ウェルテルは自分の姿をビデオカメラに写し、ビデオレターとしてロッテへの想いなどを語っていきます。

このような演出がほどこされたウェルテルは、現代ではYoutuberにも見えるのでは?という面白い意見もありました。

たしかに、手紙は特定の親しい友人に宛てるものですが、Youtube、Facebook・Twitter・Instagramなど、不特定多数の人に向けたSNSでは、赤裸々な自分というよりは、ある程度ポップに演出した自分を発信しているのかもしれません。

そうした現代のコミュニケーションツールやあり方が演出に反映された『ウェルテル!』は、SNSを使いこなす若い世代の人にもオススメの作品です!

他にもたくさんの感想が出て、読書会は盛り上がりました!
参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

写真5

最後にもうワンポーズ!『ウェルテル!』ポーズがばっちり決まりました。

皆さんもぜひ観にきてください!

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ウェルテル!
演出:ニコラス・シュテーマン、出演:フィリップ・ホーホマイアー
原作:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
4月28日(金)19:00開演、4月29日(土)16:30開演、4月30日(日)15:30開演
静岡芸術劇場
詳細は こちら
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blog 最終更新日:2017年4月19日 12:24 PM

クラブから「ストリート」へ ~『ダマスカス While I Was Waiting』~

横山義志(SPAC文芸部)

私は「ふじのくに⇄せかい演劇祭」で海外招聘を担当しています。演劇祭直前になってしまいましたが、今年の演目をいくつかご紹介していこうと思います。

海外招聘担当として、今年何よりも見てほしいのは『ダマスカス While I Was Waiting』です。シリア内戦の話って、最近ニュースではよく見るでしょうが、政府軍がどうのとか、イスラム国がどうのとか、そんな話ばかりで、シリアの人がふだんどういう生活をしているのか、あんまり想像する機会がありませんよね。私もそうだったのですが、昨年のアヴィニョン演劇祭でこの作品を見て、はじめて「人ごとではない」と思えたのです。

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この作品にはクラブでDJをやっている若者が出てきますが、シリアのクラブカルチャーなんて、多くの方は考えてみたこともなかったのではないでしょうか。お隣のレバノンの首都ベイルートに住んでいる人と話していたら、ベイルートからダマスカスまでは車で3時間ちょっとで、すてきな服が安く買えたりするので、よく週末にショッピングに行ったり、踊りに行ったりしていた、と聞きました。ダマスカスにはキリスト教徒などもそれなりに住んでいるので、お酒が飲めるクラブやバーもけっこうあるようです。ダマスカスのナイトライフについて昨年取材した、こんな記事もありました(下のリンク、英語ですが、写真がたくさんあります)。

http://www.businessinsider.com/nightlife-in-damascus-2016-5/#security-in-damascus-improved-in-february-after-russias-intervention-and-a-partial-truce-brought-a-sense-of-calm-1

アヴィニョンでこの作品を観たあと、演出家のオマル・アブーサアダと少しお話しすることができました。「今もダマスカスに住んでいる」と聞いてちょっと驚いて、「ダマスカスって、今でも演劇ができる状況なんですか?」と聞いてみたら、「ダマスカスに帰ったらよく眠れるんですよ。しょっちゅう電気が止まるので(笑)」とのこと。かつて一緒にダマスカスで芝居をしていた仲間たちの多くは国を出ていってしまったのですが、それでも多くの友達や家族が残っているので、ダマスカスに住みつづけることを決めたといいます。

出演者やスタッフには、今はドイツやフランスやエジプトなど、他の国に住んでる人も少なくありません。オマルも、最近はヨーロッパや中東の別の国での仕事がほとんどで、仕事や日々の生活のことだけを考えたら、国を出て行った方が都合がいいのかも知れません。今はダマスカスの各国大使館や空港も閉鎖されてしまっているので、ビザを取るにも、飛行機に乗るにも、ベイルートまで行く必要があるのです。それにダマスカス~ベイルート間の道は、作品のなかでも何度か話に出てきますが、必ずしも安全ではないようです。

シリア内戦を背景にした作品はいくつか見てきましたが、この作品が心に残ったのは、ダマスカスに住みつづけている人たちの視点から書かれているからです。オマルによれば、ダマスカスには今でも500万人が住んでいるといいます。内戦前の人口も約500万人でした。これだけあちこちに難民が流出しているというのに不思議ですよね。どうも国内の避難民がダマスカスに集まってきているらしいのです。アレッポなどの他の地域に比べれば、ダマスカスは政府軍がいる分、比較的安全だからだといいます。

2011年には、ふつうの学生だったり、会社員だったり、クラブで遊んでいたりしていた若者たちが、いくつかの事件をきっかけに、政府を批判するデモに参加して、ストリートに出て行ったんですね。「アラブの春」と呼ばれたこの時期、アラブ諸国でいくつかの独裁政権が市民による運動などによって倒れていきました。シリアのアサド政権は、反対勢力を力で徹底的にねじふせようとしました。そして政府側も反政府側も外国の軍の支援を受けるようになり、内戦どころか、シリアは世界中の武器の実験場のようになっていきます。そのなかで、運動に参加した若者たちは、武装して反政府勢力に加わるか、危険をかえりみずに言論活動を続けるか、あるいは身をひそめるか、決断を迫られていきます。

実際にこの状況を経験してきたシリアの人たちが、私たちの前で、自分たちの友人をモデルにした物語を演じてくれているのを見て、こういうとき自分だったらどうするのかな、とすごく考えさせられました。

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今年7月にはニューヨークのリンカーン・センターでも公演が予定されていますが、アメリカの新政権による入国制限で、出演者やスタッフが入国できない可能性も出てきていると聞きます。静岡公演については、今のところ、なんとかビザ取得の手続きが進んでいるようです。貴重な機会になると思いますので、ぜひ足をお運びください。

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ダマスカス While I Was Waiting
演出:オマル・アブーサアダ / 作:ムハンマド・アル=アッタール
5月3日(水・祝)14:30開演、5月4日(木・祝)13:00開演
静岡芸術劇場
詳細は こちら
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blog 最終更新日:2017年4月17日 4:18 PM

【レポート】「ふじのくに⇄せかい演劇祭2017」キックオフミーティング&稽古見学会

昨日開催した「ふじのくに⇄せかい演劇祭2017」のキックオフミーティング。
シアタークルー、「ストレンジシード」「みんなのnedocoプロジェクト」といった関連企画の関係者、プレスの方々、SPACスタッフなど総勢約60名(!!)が集いました。

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参加者それぞれが、演劇祭はもちろん、自身が関わる上演作品や関連企画について熱く語り、改めてこの演劇祭が本当に多くの方々の愛と熱意に支えられていることを実感。

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歓談の後、今年の演劇祭の目玉、SPAC新作『アンティゴネ ~時を超える送り火~』の稽古見学へ。
参加者全員が劇場に入ったのを確認し、宮城さんの合図で稽古スタート!
緊迫感・焦燥感を煽るかのような打楽器の演奏に合わせ、俳優たちがゆっくりと動き出します。

物語は、新しくテーバイの王となったクレオンによるお触れから始まります。
それは「テーバイのため、勇敢に戦って死んだエテオクレス(※アンティゴネの次兄)は丁重に弔うが、敵となったポリュネイケス(※アンティゴネの長兄)は弔ったり哀悼の意を表してはならぬ。遺体は野鳥・野犬の食うにまかせろ」という厳しいものでした。

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このお触れに対し、アンティゴネは「亡くなれば皆同じ」と、妹イスメネの反対を押し切り、兄ポリュネイケスを弔うことを決意します。

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王の掟に背くアンティゴネの運命は――?

と、稽古見学はここまででしたが、皆さん、俳優たちの動きひとつ、台詞ひとつ漏らすまいと、食い入るように舞台を見つめていました。

稽古見学終了後、参加者・俳優交えての集合写真をパチリ。
演劇祭の成功に向けて、気持ちが一つになりました!

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さあ、演劇祭開幕までいよいよあと11日です!!

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ふじのくに⇄せかい演劇祭2017
4月28日(金)~5月7日(日)

静岡芸術劇場/舞台芸術公園/駿府城公園 ほか
https://festival-shizuoka.jp/2017/

★良い席はお早めに。
第71回アヴィニョン演劇祭 オープニング招待作品
SPAC新作『アンティゴネ ~時を超える送り火~』
5月4日(木・祝)、5日(金・祝)、6日(土)、7日(日)各日18:30
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
https://festival-shizuoka.jp/2017/program/antigone/
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blog 最終更新日:2017年4月15日 9:58 AM

『腹話術師たち~』演出家ジゼル・ヴィエンヌさんからビデオメッセージが届きました!

2014年に『Jerk』『マネキンに恋して-ショールーム・ダミーズ-』をSPACで上演したジゼル・ヴィエンヌさんが、最新作とともに静岡に帰ってきます。フランスから、ビデオメッセージをいただきました。
時折風に揺れる美しい髪と、一つ一つ的確に選ばれる言葉が印象的です。

ブラックユーモアたっぷりでエンターテイメント性も高い本作、その創作過程が垣間見えます。ぜひご覧ください。


 
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この作品は、米国のケンタッキー州で毎年行われる腹話術師の会議をフィクションとして再構築したものです。
役者と人形師たちと一緒に、この会議での腹話術の様々な面を調査しました。この会議を虚構的に再構築することによって、人形と人間、人形と人形、人間と人間が交わす奇妙で強烈な会話が生み出されました。

この舞台は、私が出会った人形師の中でもヨーロッパ最高の技量を持つ、ドイツ出身の人形師・役者たちによって演じられます。この舞台では言葉の様々なレイヤー(層)が明るみになり、私達がどのように話し、異なるレイヤーを通じて対話を生み出すのかということついて語られます。

例えば、私があなたに話しかける時、声と一緒に私の感情にともなう思考や無意識も伝えていることは明らかです。私達が作りだす様々なレイヤー(層)が、対話に組み込まれています。人間と人形による複層の声の存在が、奇妙で強烈な対話を生み出すのです。挑戦的な試みによって、ユーモア、闇、愛へと感情が振幅する舞台が生み出されました。

私達皆に関わる問題を扱い、極めて不条理でおかしな状況が形而上学的な問いへと変わる舞台です。
私達が経験してきた感情や思考を、分かち合うことができれば幸いです。

劇団員全員が日本に行くことをとても楽しみにしています。日本の劇場や人形の歴史を重んじる私達は、とても興奮しています。最新作で日本を再訪できて嬉しいです。

加えて、特に私にとって、文化的な違いから、日本で自分の作品を見せることは特別です。
私の作品が、日本の観客と非常に深く複雑な対話をしていることを感じ、私もその対話の幅を理解しようと努めてきました。
こうした日本の観客に、新作をお見せできることをとても楽しみにしています。
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一度ハマるとどっぷりハマる、そんな演出家ジゼル・ヴィエンヌ。
インタビューやトークでの優等生ぶりとは裏腹に、舞台ではブラックな笑いや驚き、そして不気味さのカオスに観客を包みこむ。あなたもそんな作品の虜になってしまうかも。
今回が初来日となる人形劇団パペットシアター・ハレの一流の腹話術師たちとともに、新茶も薫り始める5月の静岡にやってきます。この機会をお見逃しなく!

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腹話術師たち、口角泡を飛ばす
構成・演出:ジゼル・ヴィエンヌ
作:デニス・クーパー(出演者との共作)
5月6日(土)15:00開演、5月7日(日)13:00開演
静岡芸術劇場
詳細は こちら
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blog 最終更新日:2017年4月13日 10:51 AM

『ウェルテル!』 怪優フィリップ・ホーホマイアーの魅力

皆さん、白シャツがとっても似合うこの俳優をご存知でしょうか?

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知らないなんて勿体ない!
彼こそ、今年の演劇祭のオープニングを飾る『ウェルテル!』で唯一無二のウェルテルを演じるフィリップ・ホーホマイアーです。壁ドンポーズも様になるくらいハンサムですよね!

オーストリア・ウィーン出身で、これまでウィーンのブルク劇場やドイツ・ハンブルクのタリア劇場に所属し、舞台を中心に映画などでも活躍しています。

中でも『ウェルテル!』は彼の代名詞ともいえる作品。

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1997年の初演以来、ドイツ国内のみならずヨーロッパ各地の劇場で上演され、その上演回数はなんと1,000回以上!(ホーホマイアー自身も1,000回を超えてからは、数えるのを止めたそう。)

そんな伝説的人気作でウェルテル役として舞台に立ち続け、多くの観客を魅了してきた彼が、間もなく静岡芸術劇場に登場します。

作品の前半は、ロマンチックな雰囲気が漂い、青年ウェルテルがシャルロッテへの愛を語る姿、ホーホマイアーのあま〜い視線には誰もがうっとりトロけそうになります。

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しかし、彼女への想いが叶わぬものだと悟ると、徐々にウェルテルの妄想は暴走し始め、バランスを失っていきます。

彼の心に取り憑いた「病み」を訴えるかのように、ホーホマイアーが全身で愛を叫び、「好青年」から「狂気の人」へと豹変していく様からはひとときも目が離せません。

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彼の演技の幅は、演じてきた役の多様さからも一目瞭然。
例えば、カフカ作『審判』(2010年 Andrea Gerk演出)では、スーツ姿の紳士的な男を演じ、『ファウストⅠ+Ⅱ』(2011年 ニコラス・シュテーマン演出)では、悪魔メフィストを熱演。(第一部は、2014年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」でも上演されました。)

また、“Der Ring: Siegfried/Götterdämmerung(「指輪:ジークフリート/神々の黄昏」の意)” (2015年Antú Romero Nunes演出)では、英雄ジークフリートを演じています。

まさに変幻自在の怪優です。

近年は、テレビドラマや映画にも多数出演し、日本でも話題となった『es』(2002年)は、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。また昨年は、ベルリン国際映画祭2016でテディ賞を受賞した『Kater(雄猫)』でゲイの役を演じ、話題を呼びました。

今まさにホットな俳優フィリップ・ホーホマイアーによる一人芝居『ウェルテル!』。
20年、輝きを放ちつづける本作が、ついに日本初上陸します。どうぞお見逃しなく!!

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フィリップ・ホーホマイアー公式サイトでは、過去に出演した映画のトレーラーや舞台写真などをご覧いただけます。【URL】http://www.philipphochmair.com

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ウェルテル!
演出:ニコラス・シュテーマン、出演:フィリップ・ホーホマイアー
原作:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
4月28日(金)19:00開演、4月29日(土)16:30開演、4月30日(日)15:30開演
静岡芸術劇場
詳細は こちら
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