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【クルーレポート】『イナバとナバホの白兎』

5/2(月)~5(木・祝)に駿府城公園にてプレ上演した『イナバとナバホの白兎』
おかげ様で、連日チケット完売、満員御礼のうちに無事千穐楽を迎えることができました。
ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました!
本作のレポートを、シアタークルーの久保田雄介さんが書いてくださいましたのでご紹介いたします。(久保田さんは、演目担当クルーとして作品の創作過程から関わってくださった方のひとりでもあります)

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舞台は駿府城公園野外特設劇場。
駿府城公園内で圧倒的な存在感を放っていました。
いったいココで何が行われるのだろう?と通りすがりの方々も思わず歩みを止め、興味津々。稽古中の俳優の様子を、真剣な眼差しで見学していました。

初日、2日目と2日間観劇させて頂きましたが、共にチケットはソウルドアウト!キャンセル待ちのお客様が出るほどの盛況振りでした。

開演前に、近くのフェスティバルgardenでプレトークが始まると、フェスティバルgardenは人で溢れかえりました。皆さん、予習に抜かりがありません。

あ!すぱっくん!
みんな大好きすぱっくんもお客様をあたたかく歓迎。
一緒に記念撮影や握手をして、演劇祭を盛り上げていました。

開演は18:30。
宮城氏が開演前に『イナバとナバホの白兎』の簡単な作品紹介を行いました。皆さんの眼差しは真剣そのもの。トーク終了と同時に、静かに上演スタート。

夕暮れから段々と夜の闇に包まれていくステージが妙に神秘的で、ある意味現実的ではない、独特の雰囲気を醸し出していました。これから始まる神話の世界へ、ここにいる全ての方々を導いていくかの様。

レヴィ=ストロースの仮説を元にした神話劇なのですが、アジアの仮面劇を観賞しているようなユニークさがあり、面白いギャップを産んでいました。和楽器と言葉遊びの様な音響が、妙に心地良く魅力的。クライマックスに近づくにつれて3つの物語が収束していき、失われた物語を求めて最後に提示された希望。その時の全身総毛立つ高揚感といったらもう!圧倒的な感動が押し寄せ、幸せの放心状態に陥り、鳥肌も治らない。知らぬ間に涙も溢れ、感情の整理が追いつかぬまま演劇終了となってしまいました・・・。
レヴィ=ストロース、きっと喜んでいるんだろうな。祝祭音楽劇とありましたが、レヴィ=ストロース、これはあなたへの鎮魂歌(レクイエム)です。

終演後も皆さん興奮が冷めやらない様子。特設劇場前で、観劇された感想をシェアし合ったり、出演俳優と交流したり、記念撮影をしたりと、とても賑やかに過ごされていました。

今回、『イナバとナバホの白兎』の演目担当クルーとして関わらせて頂き、作品が完成されていくまでの過程を近い場所で拝見させて頂きました。貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございます。この演目への愛着は人一倍です。きっとフランスでも素晴らしいショーを観せてくれると思います。今回都合が悪く観劇出来なかったそこのあなた!チケットが取れなかったそこのあなた!フランスへ行きましょう♬

SPACシアタークルー 久保田雄介

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本作は、フランス国立ケ・ブランリー美術館の開館10周年を記念しての委嘱作品。約1か月後の6月9日~19日、同美術館内にある「クロード・レヴィ=ストロース劇場」にて世界初演を迎えます。これからさらに稽古を重ね、舞台衣裳や装置も加わり、進化し続けていく本作。今後もぜひご注目ください!

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