blog 最終更新日:2016年3月25日 11:46 PM

【レポート】宮城聰による講演会&ラインナップ発表会

3月22日(火)、東京・恵比寿にある日仏会館にて、
「宮城聰による舞台芸術の日仏交流に関する講演会」及び
「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」「ふじのくに野外芸術フェスタ2016」ラインナップ発表会を開催いたしました。

第一部は、宮城さんが、自身のフランス演劇との関わりについてを語る講演会。
聞き手はSPAC文芸部の大岡淳さん、司会はSPAC所属俳優の永井健二さんが務めました。

フランス演劇に興味を持ったきっかけから始まり、
『王女メデイア』『天守物語』のフランス公演、
ケ・ブランリー美術館のクロード・レヴィ=ストロース劇場こけらおとし、
アヴィニョン演劇祭で『マハーバーラタ』を上演したこと、
そして、再びクロード・レヴィ=ストロース劇場で開館10周年記念作品として
『イナバとナバホの白兎』を上演することなど、
をさまざまなエピソードを交えて語る宮城さん。

自身の作品だけでなく、これまで関係を築いてきた
フランスにゆかりのある演劇人についても作品の映像を見ながら話しました。

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続いての第二部は、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」のラインナップ発表会。
SPAC新作『イナバとナバホの白兎』をはじめ、上演7作品の見どころを紹介しました。

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今年のラインナップの特徴は、「古典を描いた作品と、アーティスト自信を描いた作品を集めたところ」と宮城さん。「今、人々は性急にこれからどうしたら良いのか、を知りたがる。このような状況下でアーティストに出来ることは、ものの考え方を提示すること。その方法のひとつが古典をもう一度読んでみること、もうひとつは自分自身を見つめ直すことです。アーティストは答えを提示はしないが、どう向き合えば良いのか、その方法を提示してくれている。観客にもそういうものの考え方を伝えることが出来たら」と熱い想いを語りました。

またラインナップのひとつである『三代目、りちゃあど』より、演出家のオン・ケンセンさんと出演者の中村壱太郎さん、SPAC俳優のたきいみきさんが登壇。

オン・ケンセンさんは「ふじのくに⇄せかい演劇祭2012」で上演した『キリング・フィールドを越えて』以来2度目のSPAC登場です。

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本作の魅力は「単に『リチャード三世』の劇世界を描いているだけでなく、作家は何を真実と思って作品を作るのか、という根底的な問題に触れているところ」と語ったケンセンさん。さらに「伝統芸能の方を現代演劇のコンテクストに巻き込む」という自身の作風に触れながら、「今回は歌舞伎、狂言、元宝塚歌劇団、バリの影絵俳優など様々なフィールド出身の方とコラボレーションし、言語も英語や日本語、インドネシア語が入り混じるコミカルでひねりのある豪華な作品になると思う」と笑顔で抱負を話してくれました。

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出演者の一人、歌舞伎俳優の中村壱太郎さんは、今回がほぼ初の外部出演とのこと。「台本を読み込むにあたり、この作品が何を伝えたいのか、それぞれのキャラクターはどういう人物なのか、といったことをキャストもスタッフもみんなで話し合う。歌舞伎では、それぞれが役を100パーセント作ってきて、4、5日一緒に稽古して完成させるというイメージだが、今回は素材を育てるというところからやっている印象」と、稽古の進め方を新鮮に受け止めている様子。

また、SPACからは唯一の参加となるたきいさんは、バリでの稽古を振り返りつつ、「この作品がこれからどう成長していくのか、おおらかな気持ちでこの作品と付き合っていけたらいいなと思っています」と作品への期待と自身の抱負を語りました。

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終始和やかな雰囲気で進んだ講演会&ラインナップ発表会。
講演会とラインナップ発表会の二部構成は初めての試みで不安もありましたが、
プレスをはじめ、大変多くの皆様がご参加くださいました。
この場をお借りし、心からお礼申し上げます。

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講演会&ラインナップ発表会の詳細は、既に複数のメディアで取り上げてくださっています。
ぜひそちらもご覧ください。

*ステージナタリー http://natalie.mu/stage/news/180574
*歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人(かぶきびと)」 http://www.kabuki-bito.jp/news/3233

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ふじのくに⇄せかい演劇祭2016
2016年4月29日(金・祝)~5月8日(日)
静岡芸術劇場/舞台芸術公園/駿府城公園

★チケットのご予約はこちら。良い席はお早めに!!

★宮城聰が新作『イナバとナバホの白兎』への想いを語るロングインタビューはこちら

★ブログ「『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~」はこちら

★たきいみきによる『三代目、りちゃあど』稽古レポートはこちら

★演劇祭の最新情報は特設サイトをご覧ください!
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information 最終更新日:2016年3月24日 6:02 PM

【開催間近!】 『三代目、りちゃあど』出演 茂山童司による 「狂言事始め 笑いのワークショップ」

『三代目、りちゃあど』出演 茂山童司による
「狂言事始め 笑いのワークショップ」

開催が近づいてまいりました!

「狂言ってどんなもの?」「伝統芸能に触れてみたい!」という方、大歓迎。
狂言についてのレクチャーから狂言の創作まで、楽しく体験してみませんか?

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開催日: 4月3日(日)13:30~17:00

会場: 静岡県舞台芸術公園 稽古場棟
講師: 茂山童司

★ワークショップ内容
1)レクチャー「狂言とは」
2)狂言の基本的な所作を学ぶ
3)あなたも狂言作者、かんたんな狂言を作ってみよう!

参加費 1,500円(一般)1,000円(高校生)*参加者保険料含む
対象 高校生以上
定員 20名

お申し込み先:SPACチケットセンター(TEL.054-202-3399)
※お電話/窓口のみでの受付となります。
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information 最終更新日:2016年3月19日 9:30 PM

稽古快調!SPAC新作『イナバとナバホの白兎』 宮城聰が新作に懸ける想いを語るロングインタビューを一挙公開!!

静岡のGWを彩る「ふじのくに⇄せかい演劇祭」。

今年は、五大陸から世界の演劇シーンをリードする演出家の作品が一同に会し、

「現代演劇版 大陸対抗オールスター戦」と言える充実のラインナップとなりました。

 

中でも一番の注目は、やはり宮城聰最新作『イナバとナバホの白兎』です!

 

本作は、フランス国立ケ・ブランリー美術館の開館10周年を記念した委嘱作品。

今年6月のフランスでの世界初演に先駆け、駿府城公園にお目見えします。

 

SPAC史上初となる出演者一同による共同創作を試みた本作。

基となる戯曲や台本が無い中、台詞や動きを俳優たちがひとつひとつ考え、シーンを創っていく…、

連日続くそんな地道な作業の中から、今まさに新たな神話が生まれようとしています。

約1か月半後の本番を前に、この度宮城聰のロングインタビューを公開しました!

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http://spac.or.jp/blog/?p=21412

ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品としてなぜこの題材を選んだのか、

どんな作品になるのか、などなど・・・

宮城聰の頭の中と本作の一端を垣間見る内容となっていますので、ぜひ予習も兼ねてご覧ください。

そして作品の全貌は・・・、劇場にてあなた自身の目でお確かめください!!

 

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016

フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品

イナバとナバホの白兎

5/2(月)、3(火・祝)、4(水・祝)、5(木・祝)各日18:30

駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場

★チケットはこちら

★ブログ「『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~」はこちら

★公演の詳細はこちら

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blog 最終更新日:2016年4月11日 9:13 PM

【三代目、りちゃあど】たきいみきによる稽古レポート

野田秀樹作、オン・ケンセン演出『三代目、りちゃあど』。
SPAC俳優のたきいみきを含め、
日本・シンガポール・インドネシアの3ヶ国の俳優が出演する本作は
今回の静岡公演が世界初演となります。
現在、インドネシアのバリ島での稽古に参加しているたきいから、現地のレポートが届きました!

* * * * * * 

すらまっぱぎ!暖かいを通り越してあっついバリよりお届けします。
本当に、暑いです。地元のお人が「今日は暑い」っていうくらい、暑いです。

3月4日にバリ入りをした『三代目、りちゃあど』チーム。
成田空港で、中村壱太郎さん、久世星佳さん、江本純子さん
東京芸術劇場のスタッフの皆様と初顔合わせ。

7時間半のフライトを経て、バリにてジャワ島から参加のヤヤンさん、
バリ島在住のチャポンさん(=イ・カデック・ブディ・スティアワンさん)
そしてシンガポールから参加のジャニスさん、演出のオン・ケンセンさんと合流。

「なぜゆえ、バリで稽古?」
そう思ったのは私だけではないはず。

でも、翌朝起きて窓の外を見ると!

ふ、ふ、ふ…、富士山???

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アグン山という活火山で、3000mちょっと、周りに温泉が湧き、
聖なる山と信仰されている…

すごい!まさに、ふじのくに⇄せかい演劇祭!

なんだか、もうすでにわくわくするスタートとなりました。

3月5日の稽古初日にケンセンがこんなことを話してくれました。

「3月9日はニュピと言われるバリ島の新年にあたります。
バリの人々はその日、食事をとらず、電気もつけず、家の中で静かに瞑想をするのです。
神聖な日で、空港もクローズします。観光客が一番いない時期です。
そこにある神秘性を共有して作品を作りたいのです。
だからみなさんも、食事はしてもいいですが、電気はつけないでください。」

その後、その日の夜8時頃、茂山童司さん到着。
到着と同時に、夕方のスコールの影響で、停電発生。

童司さんが現れると同時に(シャレじゃありません)まっくらやみに。
顔が見えない中で、はじめまして~とご挨拶。
でもまったくあいさつの意味がありません。
「改めて翌日」、「もってるねぇ、童司さん」、「蚊に刺されたけどそんなに痒くないね~」と
みんなでお話ししながら暗闇の中各自お部屋に戻りました。

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▲ 停電のため、台本を読むのもキャンドルの明かりで。

* * * * * * 

本作品でいったいどんなコラボレーションが生まれるのか、
皆様どうぞお楽しみに。

4月3日に開催される、茂山童司さんによる狂言ワークショップも現在ご参加受付中です。
20名様の定員で先着順でご案内しておりますので、
どうぞお早目にお申し込みください!
※ワークショップの詳細はこちら (「関連企画」欄をご覧ください)

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野田秀樹 作  国際共同制作
『三代目、りちゃあど』
作:野田秀樹 演出:オン・ケンセン
4/29(金・祝)~5/1(日) 静岡芸術劇場
☆公演の詳細はこちら
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information 最終更新日:2016年3月12日 2:19 PM

スイッチ総研「ふじのくにストレンジシードスイッチ」 “非常勤研究員” 募集 ! !

<公演概要>
公演日程=2016年5月3日(火)~5日(木)
会場=静岡・駿府城公園 内堀各所
作=スイッチ総研+ふじのくにストレンジシードスイッチ研究員
総合演出=光瀬指絵
研究開発=大石将弘、光瀬指絵、山本雅幸 他

<募集内容>
■スイッチ総研「ふじのくにストレンジシードスイッチ」の非常勤研究員=出演者を募集します。
【募集人数】20名程度

<応募条件>
■18歳以上の方。演技経験不問。
■下記日程のリハーサル、および本番に原則3日間参加可能な方。
①公開研究会
 日時:4月10日(日) 13時~17時
 場所:七間町このみる劇場
   静岡県静岡市葵区七間町11-5(静岡駅より徒歩12分)
②リハーサル
 日時:①5月1日(日)午後~夜間 ②5月2日(月)夜間
  ①②の内、いずれか1日。応相談。
③本番
 日時:5月3日(火)~5日(金) 全3日間。
※応募多数の場合は書類選考を行います。本番3日間参加可能な方から優先的に採用させていただきます。
※公開研究会では、「スイッチ」についての座学、創作、実演をスイッチ総研メンバーとともに行います。参加費無料。
※会場までの交通費等はご自身でご負担ください。
※本作品への参加による報酬・交通費のお支払いはありません。

【同時募集!「ふじのくにストレンジシードスイッチ」運営サポートメンバー】
■スイッチ総研「ふじのくにストレンジシードスイッチ」の運営をお手伝いいただける方を募集します。
【募集人数】若干名
【日程】
①4月27日(水)~5月2日(月):準備期間
②5月3日(火)~5日(木):本番期間
 ①の内、1~2日数時間から参加可能。
 ②3日間。午後の時間帯5時間程度を予定。
 ①、②ともに日時応相談。
【応募条件】18歳以上の方。4月10日(日)の公開研究会に参加可能な方。
※応募多数の場合は書類選考を行わせていただく可能性があります。
※会場までの交通費等はご自身でご負担ください。
※本作品への参加による報酬・交通費のお支払いはありません。

<申込方法> 4月1日(金)24時〆切
■下記の8項目を明記したものを「ストレンジシード事務局」にメールでお送りください。
タイトル:「スイッチ総研出演希望」または「スイッチ総研運営サポートメンバー希望」
 ①お名前(ふりがな) ②年齢 ③性別 ④連絡先(電話番号・メールアドレス)
 ⑤顔写真1点 ⑥志望動機
 ⑦演劇経験の有無。経験無しの方は、ご自身の活動歴を簡単にお書きください。
 ⑧出演希望の方…リハーサル参加希望回。第一希望と第二希望を明記。
 ⑧運営サポート希望の方…全日程のうち参加可能な日時をお書きください。

■応募・問合せ先
ストレンジシード事務局 strangeseeds2016@gmail.com [@を半角にご変更ください]
※応募多数の場合は書類選考を行う場合があります。
※4月4日(月)までに応募者全員にメールにてご連絡いたします。
※メールを strangeseeds2016@gmail.com からお送りします。Emailアドレスの受信設定をお願いいたします。

<スイッチとは?>
「スイッチ」を押すと「何か」が起こる3秒~30秒の小さな演劇。
スイッチの側に書かれている「あるお願いごと」を実行することでスイッチ、ON。スイッチを押したとたん貴方は物語の観客、はたまた主人公に。“オール人力インタラクティブメディアアート”とも称される唯一無二かつ変幻自在な新しい形の演劇。その場所でしか出来得ない作品を目指し、所員達が日夜研究開発を続けている。

<プロフィール>
■スイッチ総研
光瀬指絵(ニッポンの河川)、大石将弘(ままごと|ナイロン100℃)により2015年1月結成。同年8月、山本雅幸(青年団)加入。劇団「ままごと」の公演内企画において俳優たちが生み出した「スイッチ」という作品を専門的に上演するための団体。六本木アートナイト2015での初陣以来、多摩、恵比寿、道頓堀、伊勢原、横浜、下北沢、豊橋などでその場ならではのスイッチを開発上演し話題に。
モットーは「大人げないことを大人のやり方で」
■光瀬指絵|所長。企画、スイッチ作成、総合演出。
俳優。舞台を中心に現代口語劇から激しい身体表現演劇まで、幅広い表現の場で活動。カムカムミニキーナ、猫のホテルを経て2006 年に作家・福原充則らと共にニッポンの河川を旗揚げ。劇団、本谷有希子、東京デスロック、快快、ままごと、ミクニヤナイハラプロジェクト、等出演多数。
■大石将弘|副所長。企画、スイッチ作成。
俳優。ままごと、ナイロン100℃に所属。東京・横浜を中心に演劇公演に出演する他、日本各地に滞在しながら、劇場内外を問わない演劇創作に参加。近年の主な出演団体に、マームとジプシー、NODA ・MAP、FUKAIPRODUCE 羽衣、範宙遊泳、サンプルなど。
■山本雅幸|平所員。スイッチ作成。
俳優。2003年より青年団所属。同劇団の国内ツアー及びフランス、ベルギーなどの海外公演にも多数参加。
ポツドール、五反田団、東京デスロック、ままごとなど出演多数。映画「さようなら」(監督:深田晃司)、Aflac、docomoなどのTVCM他、映像分野でも活動。

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