駿府城公園や静岡市内中心部の路上を舞台に、演劇・ダンス・大道芸など多彩なパフォーマンスが繰り広げられる「ストレンジシード」。その出演団体のひとつ「スイッチ総研」が、このたび「非常勤研究員=出演者」を募集、4月10日(日)応募者を対象とした「公開研究会」を開催しました!
公開研究会には、静岡県内をはじめ、東京・神奈川・千葉・愛知・京都など全国から約20名が参加。
まずは所長の光瀬指絵さん、副所長の大石将弘さんから「スイッチとは何か?」「スイッチ総研のモットー」「具体的にどんなことをやっているのか」「開発のポイント」など、基本的な説明がありました。
スイッチとは、≪「スイッチ」を押すと「何か」が起こる3秒~30秒の小さな演劇≫のこと。
・・・・・・???
そこで、スイッチ総研メンバーが実際に過去に開発した「スイッチ」の実演をしてくださいました。
何の変哲もない小さなテーブルの上にサングラスがひとつ。
その上には「サングラスをかけてください」というメモが1枚。
満面の笑顔で「どうぞかけてみてください」という光瀬さんに促され、参加者のひとりがサングラスをかけてみると…。
「すごいカッコいい人がいるよ!」「ホントだ!」など口々に話しながら、チラチラ参加者を見ながら、会場に潜んでいた俳優たちが脇を通り抜けていきました(笑)
「サングラスをかけた=スイッチを押した」人は、ほんの一瞬意図せず物語に巻き込まれる…、何だか狐につままれる感じ・・・でも面白い!!!
「音楽はBGMにできる、絵画は後ろを向いて見ないようにしてしまえば良い、でも演劇は無視し辛い。始まってしまったら、「観なきゃいけない」という気がする。でも、劇場に来る人は限られている。じゃあ、劇場ではない場所で演劇を観に来たわけではない人にどうやったら演劇体験をしてもらえるのだろうか・・・?」
そんな問題意識から「スイッチ総研」をスタートさせた、と光瀬さん。
他にも、マジックのキャップを外すと「サインください!」と俳優が駆け寄ってくる、などなど・・・、試行錯誤の中から生まれた「スイッチ」のレパートリーが、現在では何と300個にものぼるそうです。
これは虫眼鏡を使った「スイッチ」。虫眼鏡でメモを覗いてみると・・・
また、スイッチ総研の所訓は、「大人気ないことを大人のやり方で」。
劇場では、お客様は客席という守られた場所から舞台上の出来事を覗き見している、一方「スイッチ」では、舞台に突然上げられて芝居をさせられる。だからこそ「単に面白い」だけではなく、お客様が気恥ずかしさや不便を感じないよう、徹底的に配慮するのだそう。
「自分とは快・不快、面白い・面白くないが異なる他人がいる、ということについて想像力をフルに働かせる」という光瀬さんの言葉がとても心に残りました。
さて、座学が終わり、スイッチについて理解を深めた上で・・・いざ会場となる駿府城公園へ!!
3班に分かれ、実際にスイッチを開発してみます。
「すごいスイッチを創ることではなく、同じ班のメンバーの意見を聞き、尊重し合ってより良いものを創ることが大切」と光瀬さん。各班スイッチのネタを考えては、より面白くなるようアイデアを出し合います。
そして発表会。
どれも静岡ならでは、のネタが満載の秀逸な「スイッチ」で、とても今日初めて顔を合わせた人同士が20分足らずで創ったものとは思えないほどでした。
本番に向けて、いくつかのアドバイスも。
*お客様にしていただく動作はできるだけシンプルで負担のない簡単なものあること
*一発目でどんな状況なのかお客様に伝わるように
*トピックは複数あるとわかりにくいので、整理してひとつにすると良い
*お客様が気恥ずかしくならないように、目線にも注意を払う
などなど・・・。
本番ではどんな「スイッチ」が駿府城公園周辺に出現するのでしょうか…?
「大人気ないこと」と「大人のやり方(気配り)」に満ちた30秒~3分の演劇。
ぜひ実際に体験してみてください!!
==========
スイッチ総研「ふじのくにストレンジシードスイッチ」
5/3(火・祝)~5(木・祝)
駿府城公園外堀、二ノ丸橋前歩道周辺
※事前予約不要、観劇無料
★ほかにも期間中静岡市内中心部や駿府城公園にて多彩なパフォーマンスを上演します。
ストレンジシードの詳細はこちら
★5/2(月)~5(木・祝)、SPAC新作『イナバとナバホの白兎』も駿府城公園でプレ上演。
ストレンジシードから『イナバとナバホの白兎』まで、ぜひハシゴ観劇で!!
詳細はこちら
==========