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【クルーレポート】ストレンジシード、フェスティバルgarden、そして・・・『イナバとナバホの白兎』

4/29(金・祝)に開幕したふじのくに⇄せかい演劇祭も、5/3(火・祝)であっという間に折り返し地点。
『イナバとナバホの白兎』が上演される駿府城公園やその周辺の路上では「ストレンジシード」がスタートしました!

演劇・ダンス・大道芸をはじめ、多彩なパフォーマンスをなんと無料で!お楽しみいただける同企画。カンパニーデラシネラやFUKAIPRODUCE羽衣など、全国的に活躍するアーティストもぞくぞく登場し、何とも贅沢なプログラムです♪

そんなストレンジシードをはじめ、アートなオープンカフェ「フェスティバルgarden」、そして『イナバとナバホの白兎』について、執筆クルーの岩橋さんがまたまたレポートを寄せてくださいました!

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ストレンジシード、フェスティバルgarden、そして『イナバとナバホの白兎』を観てきました!

5/3、駿府城公園に着くと、まずは東御門に向かい、「壱劇屋」を観ました。関西から来た4人のパフォーマンスです。最初はパントマイムだけと思いきや、徐々にセリフが増えてきて、気が付くと劇が始まっていました。テンポよく進む話、思わぬ展開、とにかく面白くて、最後のオチまで笑いが止まりませんでした。観客も沢山いて、沢山の人達と一緒に笑って、笑って、とても楽しかったです!

次は、静岡市役所前のステージに移動して「CHAiroiPLIN」の童話『大きなかぶ』を観ました。そこには確かに登場人物であるおじいさんやお婆さんや孫や犬や猫がいるのですが・・・何か違う!みんな踊っている!キレッキレのダンスと、耳に残る楽しい歌、そしてもちろん笑いが止まりません。かぶの意外な行く末にはとても驚きました。市役所前は、階段が観客席になっていて、ちょっとした野外劇場のような感覚で観ることが出来て、新鮮でした。

次の公演まで少し時間があったので、フェスティバルGardenへ。ここでは、飲物の他にかき氷やインド料理、手作りおやきなどが売られていました。また、センスの良い静岡のお土産物もいくつかありました。中でも驚いたのは、コーヒーやビール、ジュースなどに交じって、なんと今年の新茶が飲めることです!アイスコーヒーのような感覚で新茶を飲めるなんて、とても静岡らしいですね。美味しそうに飲んでいる方も沢山いらっしゃいました。

私は、お腹が空いていたので地元食材を使った「ベーコンポテトおやき」というものを頼みました。 おやきは何度か食べたことがありますが、ベーコンとポテトが入ったものは初めて。味は・・・口の中でほろほろと溶けるポテト、塩の効いたおいしいベーコン、そしてほんのり甘いおやきの皮が合わさってもう本当に幸せな味がしました。胡椒の味も絶妙にアクセントを添え、とてもお洒落な、素敵なおやきでした。
座っていると、シロツメクサの甘い香りを爽やかな風が運んできます。それが本当に心地よくて、フェスティバルgardenの素敵な雰囲気も相まってずっとここに座っていたい、と思いました。

さて、次はまた東御門に向かいました。観るのは、「京本千恵美」のパントマイム。一人しかいないのに、逆に一人しか見させない、いうくらいの存在感でした。最初から最後まで一言も話さないのに、大人から小さい子供まで、観客すべてを巻き込んで一体とさせるその力はすごいなあ、と思いました。予想外、というより次を予想できないくらいの意外性に満ち溢れていましたが、笑いの中にふと心に迫ってくるものがありました。

今回、ストレンジシードを観て、「生」の力はすごい、と改めて感じました。その場で、同じ空間に居て、しかも間近に迫りくる圧倒的な「生きている」「なまの」力を感じます。その中には、かわいい、美しい、などのポジティブなものもありますが、「生々しい」とも言える、グロテスクさや、醜い、といった沢山のネガティブなものも、時には含まれています。そして、普段あまり見ないようにしていたそれらを全部含めた「生」を見ることで、「生きる」ということをかつてないほどリアルに感じました。全部含めた自分は、今、ここに、私が生きているんだ、という自分の存在をはっきりと感じることが出来て、あ、これでいいんだな、と気づいてとても安心しました。

とはいえ、ストレンジシード、そんなに難しいものではありません。普通に見て、ただただ笑って、すっきりして、楽しく帰ることもできます。しかも無料です。なので、安心してください。また、このレポートに書いているのは、ストレンジシードのなかでもほんの一部です。他のパフォーマンスも沢山あります!面白そうなものを、ぜひ見つけてみてください。

フェスティバルgardenの賑わいを観ながら、駿府城公園外堀のスイッチ総研へ。フェスティバルgardenは、前を通るたびに人が増えて、特に食べ物を売っているところでは行列ができていました。巨大チューブの「ハレウサギ」には、「イナバの白兎」を想像させる、かわいいうさぎやカラフルな富士山の絵が描いてあり、会場がより華やかになっています。
中に入って絵を描くこともできるそうで、沢山の人が中に入って絵を描いていました。
ただ、風の強い時間帯は中に入るのは難しいとのこと。

二の丸橋に着くと、もうスイッチ総研が始まっていました。スイッチ総研は、そこにある「スイッチ」を押すと、「何かが起こる!」というものです。「スイッチ」は、小さい旗だったり、手袋だったり、割と日常にありそうな物ばかりです。しかし、「押す」と、思いがけないことが起こります。何が起こるかは、お楽しみ!です!きっと最初はびっくりして、次に笑いが止まらなくなり、わくわくしてもう一回スイッチを押してみたくなることでしょう。

中でも私が特に面白い、と思ったスイッチは「巻物」です!はまりすぎて何度も何度も押してしまいました!静岡らしい、お茶やワサビを使ったスイッチもありますのでぜひぜひ、スイッチを押してみてください!写真で白い台に乗っているのが「スイッチ」です。

スイッチ総研は、日常の中に、くいっと非日常が入り込んでくるところがたまらなく面白いです。まるで、日常という透明な水に非日常という色水を一滴垂らしたように、ぱっと非日常が広がり、そしてまたなんでもなかったように日常が戻ってきます。
そして、スイッチ総研でずっと遊んでいると、帰りにただベンチに座っただけで何かが起こりそうな気がしてきてとても楽しいです!

スイッチ総研で思う存分遊んだあとは、少し休んで『イナバとナバホの白兎』を観劇しました。

私は野外の劇場で演劇を観るのは初めてだったのですが、室内の劇場は窓もないほどある意味「閉じた」空間なのに、野外は鳥の声も聞こえるほど「開いた」空間で、不思議な感じがしました。でも、移り行く空の色や自然の空気の中で演劇を観るのはいいなあ、と感じました。演劇は、神話の話ではありましたが、仮面や人形がとてもユーモラスで楽しく、話も自然についていくことが出来ました。始まる前に「セリフは言葉遊びのようなところも多くある」と聞いていたので、あ、言葉遊びだ、と思って聞くと楽しかったです。そして言葉遊びのような中から「台詞」が形をなして浮かびあってくる様子も興味深かったです。
まさに「祝祭」の雰囲気のする劇でした。

皆さんもぜひ、駿府城公園にお出かけください♪

SPACシアタークルー 岩橋くるみ

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5/3は他にもフェスティバルgardenにてシンポジウムが開催されました。
世界の演劇シーンの第一線で活躍する平田オリザさん、オンケンセンさん、そしてSPAC芸術総監督・宮城聰が登壇し、「演劇の力ってなんだろう?」というテーマで白熱した議論が展開。司会を務めた中井美穂さんの進行も絶妙でした。シンポジウムの詳細については、また後日レポートいたします!

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★『イナバとナバホの白兎』は全公演完売いたしました!!
キャンセル待ちのお申し込み:SPACチケットセンター TEL.054-202-3399 (10:00~18:00)

★上演スケジュールや会場などストレンジシードの詳細はこちら。MAPのダウンロードもできます!
https://festival-shizuoka.jp/2016/event/strangeseed/

★フェスティバルgardenの詳細はこちら
http://www.sndcafe.net/blog/2016/04/festivalgarden.html

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