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blog 最終更新日:2016年4月19日 9:59 PM

オン・ケンセンと『三代目、りちゃあど』(横山義志)

SPAC文芸部 横山義志

今年2月から3月にかけてフィリピン、インドネシア、マレーシアと東南アジア三カ国を回っていたが、そのときに重宝したのが、この『三代目、りちゃあど』だった。自己紹介のために「ふじのくに⇄せかい演劇祭」のチラシを見せると、はじめは反応が薄いが、『りちゃあど』のところでオン・ケンセンの顔を見つけると、「お、オン・ケンセンと作品を作るのか!おお、ヤヤン・ヌールも出るのか!」と、急に一目置かれるようになる。2014年からシンガポール国際芸術祭の芸術監督をしていることもあるが、それで有名になったというよりも、むしろシンガポールのナショナル・アーツ・カウンシルがオン・ケンセンの絶大な知名度もあてにして依頼したといったところだろう。ヨーロッパでもアメリカ大陸でも、東南アジア出身でこれほど知られている演出家は他に見当たらない。

それは日本でも同様で、オン・ケンセンはとりわけ6カ国から出演者を集め、7カ国で上演された『リア』(岸田理生作、1997年初演)以来、毎年のように来日している。この作品には能楽師で静岡文化芸術大学教授でもある梅若猶彦さんも出演なさっていて、梅若さんを主演にした『夢見るリア』(2012年初演)はニューヨークやパリでも上演された。2012年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」では『キリング・フィールドを越えて』(2001年初演)を上演。クメール・ルージュによる虐殺を生き延びた(「10分の1世代」といわれる)カンボジアの王立舞踊団のダンサーたちが、ポル・ポト時代の長い沈黙のあと、次代に自らの芸を伝えていく様子を、その当事者たちに演じてもらうドキュメンタリー演劇だった。主演のエン・ティアイさんは当時80歳。これを楕円堂で見られたことは、本当に忘れがたい経験だった。

『キリング・フィールドを越えて』
http://spac.or.jp/f12killingfield.html

もう一つ、パリの国立ダンスセンターで見た『牛乳の大海のほとりに座ってそれを飲み干そうとする猫のように』(2006)も記憶に残る作品だった。暗闇のなかに、ブノワ・ラシャンブル(カナダの俳優で演出家)の筋骨隆々たる背中が浮かび上がってくる。『ラーマーヤナ』で描かれている洞窟のなかでの猿神と悪魔との戦いが、強烈な身体性と官能的な息づかいをもって語られていく。

『牛乳の大海のほとりに座ってそれを飲み干そうとする猫のように』
http://www.theatreworks.org.sg/international/benoit/index.htm

ケンセンがアジアの演劇界をリードする演出家になった背景の一つには、リチャード・シェクナー(1934~)との出会いがあるだろう。ケンセンは1993年にニューヨーク大学修士課程に留学し、シェクナーが開設したばかりのパフォーマンス・スタディーズ科で学んだ。シェクナーは「パフォーマンス・グループ」(「ウースター・グループ」の前身)を率いる演出家としても知られていて、ヨーロッパ中心の演劇観とは異なる演劇をつくるために、世界各地の伝統芸能や儀礼の研究を進めていた。2月にマニラでフィリピン文化センター(フィリピンを代表する国立劇場)の芸術監督クリス・ミリヤードにお会いしたが、彼はシェクナー門下でケンセンの一年後輩にあたる。クリス・ミリヤードは「わざわざアメリカまで行って、ニューヨークのユダヤ人から、うちの近所のバリ島の伝統芸能について教えられたんだよ」と笑いながら話していた。

『三代目、りちゃあど』の稽古がバリ島ではじまったのには、20世紀演劇史から見れば、こんな文脈がある。フランスの演出家アントナン・アルトー(1896-1948)がバリの演劇に触発されて「残酷演劇」を提唱し、それがシェクナーに影響を与え、さらにシンガポールの演出家がその影響下で、いわば(広い意味では)「地元」の芸能文化を素材にして作品をつくっていくことになったわけだ。

オン・ケンセンの凄味は、その信じられないようなフットワークの軽さと、強烈な眼力にある。ヨーロッパでもアジアでも日本でも、ふと気がつくとケンセンがいて、大きな背を丸めて「ハロー!」と近寄ってくる。そして面白い人を見つければ、何人だろうがつかまえて、いつの間にか自分のペースにのせてしまう。こういう演出家が、自国だけでは何も完結しえないシンガポールという国から出たのも、ある種の必然のような気もする。

ケンセンが各地の伝統芸能に惹かれたのは、そもそも1965年に独立したシンガポールには「伝統」と呼べるものが少ないからだろう。演劇祭の記者会見で宮城さんが「ケンセンさんはもはや母国語という神話から逃れているというか、母国語という強迫観念からも逃れ、自由になって作品を上演されようとしている。そのことに驚きと刺激を受けます」と話していたが、シンガポールの公用語は英語、マレー語、中国語、タミル語の四つで、英語を母語とする方も多い。この多文化主義こそがシンガポールの「伝統」だともいえるかも知れない。

今年はシェイクスピア没後400年にあたる。今回上演される野田秀樹作『三代目、りちゃあど』では、『リチャード三世』を悪人として描いたシェイクスピアが裁かれることになる。昨年開設された「シンガポール国際商事裁判所」を想起させる設定。シンガポールがアジア経済のハブとしての地位を確立するために、シンガポールとは直接関係のない二国間・多国間の取引も扱うことができる裁判所をつくったわけだが、それ以前から、シンガポールは国際的な取引仲裁の実績を積んできている。シンガポールの国民的歌手ディック・リーのヒット曲『マッド・チャイナマン』(1989)はこんな歌詞だった。「マッド・チャイナマンは自分の人生の東側も西側もあてにしている。(それでも)マッド・チャイナマンはどちらが正しいのか見極めようとする。」アジア各国から選び抜かれた俳優とともに、西と東のあいだ、北と南のあいだをどう裁いていくのか。静岡芸術劇場での初日が楽しみだ。

Richard Sandaime
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野田秀樹 作  国際共同制作
『三代目、りちゃあど』
作:野田秀樹 演出:オン・ケンセン
4/29(金・祝)~5/1(日) 
静岡芸術劇場
☆公演の詳細はこちら
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blog 最終更新日:2016年4月18日 4:13 PM

【レポート】ふじのくに⇄せかい演劇祭キックオフミーティング

先日開催した「ふじのくに⇄せかい演劇祭」のキックオフミーティング。
演劇祭を一緒に創り上げる人たちが集い、大いに盛り上がりました!

キックオフミーティングに参加してくださったシアタークルーの岩橋くるみさん、久保田雄介さんが、素敵なレポートを寄せてくださいましたので、ご紹介いたします!

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ふじのくに⇄せかい演劇祭2016のキックオフミーティングに4月9日、行ってきました!
キックオフミーティングとは、SPACの俳優、スタッフ、シアタークルー、そしてストレンジシードやみんなのnedocoプロジェクトといった関連企画の関係者などが集まる、演劇祭の決起集会です!

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会場は、「これから演劇祭が始まるんだ!」というまるでいっぱいに膨らんだ沢山の花のつぼみが、一斉に開こうとする、まさにその瞬間のような高揚感とワクワク感に満ちていました!そして、様々な方が、演劇祭はもちろん、街のあちこちで花が咲くように展開していく、沢山の素敵なプロジェクトについて愛をこめて熱くお話ししてくださいました!

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ある方の言葉の中に、「演劇は世界の窓」という表現がありました。その「窓」という言葉が印象に残りました。演劇だけでなく、多彩なパフォーマンスやイベントといった「新しい窓」から「新しい世界」がのぞけると考えただけで、とっても素敵なことだと思いませんか?「新しい窓」から、自分の住む街がいつもと全然違って見えたら、とても楽しそうです!
GWには、皆さんもぜひぜひ劇場でそして街で、新しい世界に出会ってみてください!

また、今回のキックオフミーティングでは、ふじのくに⇄せかい演劇祭2016で上演される、宮城聰SPAC芸術総監督の新作『イナバとナバホの白兎』の舞台稽古を少しだけ、見学させて頂きました!

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「いなばの白うさぎ」という昔話は、小さいころ絵本で読んだおぼろげな記憶がありました。記憶にあるのは「絵本の中の昔話」という優しい絵のついた物語。しかし、今回の舞台は優しい、という言葉をはるかに超えていました。

「神話」が目の前に現れたようでした。

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「神話」そのものが昔のものではない、目の前で、たった今起こっている出来事のようであり、しかし、妙に現実味がない。

まるで、何もない世界から、言葉が湧き上がってくる、そして、ざわざわとした、原始の自然の中に、人の営みが徐々に形をなして生まれてくる、まさにその瞬間に立ち会っているようです。

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徹底的な非日常の、決定的な瞬間に立ち会っている、といったところでしょうか。

「ふじのくに⇄せかい演劇祭」というタイトルのとおり、世界と静岡がまさにつながる演劇祭であり、『イナバとナバホの白兎』は、世界とつながる中で、全ての文化の原点に共通の物語が存在する、という認識をもつことについても考えさせてくれそうです。

私達の文化の原点として創造された神話を、またこの作品が将来「神話」となる原点としてのこの作品を最初から最後まで見たい、と思いました。

SPACシアタークルー 岩橋くるみ

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先日9日に静岡芸術劇場にて、キックオフミーティングが開催された。
このミーティングはSPACスタッフ、俳優、演劇祭に関わる企業の方々、そして私たちシアタークルーが一同に会し、演劇祭の成功を祈願し、全員の気持ちを一つにする決起集会である。

SPACスタッフの挨拶に始まり、アイスブレイクでは演劇祭のテーマソングに合わせて皆で振付を踊り(もちろん、すぱっくんも登場!)、各参加企業の方々のご挨拶、そして宮城聰芸術総監督の最新作『イナバとナバホの白兎』の舞台稽古見学で締めるという贅沢な内容。

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ミーティング中、特に印象に残った言葉がある。乾杯の挨拶でフェスティバルgardenを運営される柚木さんのご挨拶の中に「地方にいながらも世界を意識出来るのはSPACがあるから」と仰っていた。僕自身産まれも育ちも静岡だが、世界を意識する機会はほとんどなかったように思う。しかし、今回のせかい演劇祭は文字通り、世界5大陸から素晴らしい演劇が静岡に結集することになる。静岡にいながらも、世界と繋がる事ができる大変貴重な機会である。世界を意識しない方が難しくなるのではないだろうか。この地に産まれたこと、この地にSPACがあること、この恵まれた環境に感謝すると共に、シアタークルーの一員として、演劇祭の素晴らしさをあらゆる世代に広く伝えたいと強く感じた瞬間だった。

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また、宮城聰芸術総監督の言葉に「現代社会は自分とは異なるものを、排除するようなところがある。演劇祭を通じて、多様性を楽しんでほしい」と仰っていた。これは僕自身も日常生活の中でよく感じる思いであり、言語化された宮城氏の言葉を聞き、演劇祭の前後とでは世の中に良き変化が起きるのでは?と不思議と確信に近い感情まで芽生えた。
宮城氏の想いがあらゆる世代に届き、演劇祭が多様性を楽しむきっかけになればと願ってやまない。

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静岡が世界と繋がる日までもう間もなく。
ワクワクとドキドキが交錯するこの期間もまた、良き味わいがあると感じる今日この頃。

キックオフMTG集合写真

SPACシアタークルー 久保田雄介

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さあ、演劇祭開幕までいよいよあと10日です!!

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ふじのくに⇄せかい演劇祭2016
4月29日(金・祝)~5月8日(日)
静岡芸術劇場/舞台芸術公園/駿府城公園
https://festival-shizuoka.jp/2016/

★5/3はチケット完売!良い席はお早めに。
SPAC新作『イナバとナバホの白兎』
5月2日(月)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)各日18:30
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
https://festival-shizuoka.jp/2016/program/inaba-to-nabaho-no-shirousagi/

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blog 最終更新日:2016年4月16日 10:53 AM

オリヴィエ・ピィのグリム童話『少女と悪魔と風車小屋』新演出版のこと (横山義志)

SPAC文芸部 横山義志

このオリヴィエ・ピィの『グリム童話』は、すでに2009年にも招聘し、そのあと宮城聰演出によるSPAC版も上演している。それでもなお、この「新演出版」をもう一回見ておきたい、見ていただきたいと思うのは、これがちょっと奇跡のような作品だからだ。オリヴィエ・ピィという、どちらかというとややこしい表現を好む劇作家が、グリム童話の「暴力性」に魅了され、極めて簡潔で力強い舞台作品を作り上げることになった。演劇が持つ力というものを、これほどストレートに見せてくれる作品はなかなか見当たらない。少女の手が切られる瞬間、私たちはその痛みと苦しみを共にする。だが、それが「お芝居」に過ぎないことは、子どもだってよく知っている。それでも、この虚構の受苦を通じて、私たちは自分自身が生きている世界の奇跡に立ち会うことになる。

この「新演出版」にも、けっこう驚かされた。2009年に上演されたバージョンに比べ、ずっとテンポが早くなっている。ちょっと詩的な技巧を凝らした台詞さえ、間を取ったりすることなく、さらっと言ってしまう。「悪魔」の役だけは前回と同じだが、他は全て、かなり若い俳優ばかりになっていて、俳優が一人減っている。舞台装置も、以前にもましてシンプルになっている。オリヴィエ・ピィはアヴィニョン演劇祭の芸術監督になって、この作品にお金をかけるのではなく、むしろ極度に素朴な「旅回り芝居」の形式に近づけようとした。そして、若い俳優たちの演技の力だけで、おどろおどろしくも美しい「グリム童話」の世界を立ち上がらせようとしている。この新演出版はアヴィニョン演劇祭での初演後、フランス内外でツアーをつづけ、さらに多くの観客に出会ってきた。それは「少女」を演じるデリア・セピュルクル・ナティヴィをはじめとする俳優たちの鮮烈な魅力のためでもあり、彼らが本当にこの作品を信じ、そこに見出したものを私たちと分かち合いたいと思ってくれているからでもある。

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この『少女と悪魔と風車小屋』という戯曲に興味を持った方は、ぜひ以下もご参照ください。

「芸術と娯楽 オリヴィエ・ピィ『少女と悪魔と風車小屋』について」

 

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オリヴィエ・ピィのグリム童話『少女と悪魔と風車小屋』
5/7(土)~8(日)
舞台芸術公園 野外劇場「有度」
◆公演の詳細はこちら
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blog 最終更新日:2016年4月13日 12:12 PM

【潜入レポート】“ふじのくにストレンジシードスイッチ”非常勤研究員公開研究会

駿府城公園や静岡市内中心部の路上を舞台に、演劇・ダンス・大道芸など多彩なパフォーマンスが繰り広げられる「ストレンジシード」。その出演団体のひとつ「スイッチ総研」が、このたび「非常勤研究員=出演者」を募集、4月10日(日)応募者を対象とした「公開研究会」を開催しました!

公開研究会には、静岡県内をはじめ、東京・神奈川・千葉・愛知・京都など全国から約20名が参加。

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まずは所長の光瀬指絵さん、副所長の大石将弘さんから「スイッチとは何か?」「スイッチ総研のモットー」「具体的にどんなことをやっているのか」「開発のポイント」など、基本的な説明がありました。

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所長の光瀬指絵さん
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副所長の大石将弘さん

スイッチとは、≪「スイッチ」を押すと「何か」が起こる3秒~30秒の小さな演劇≫のこと。

・・・・・・???

そこで、スイッチ総研メンバーが実際に過去に開発した「スイッチ」の実演をしてくださいました。

何の変哲もない小さなテーブルの上にサングラスがひとつ。
その上には「サングラスをかけてください」というメモが1枚。

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「スイッチ」となるものを、「スイッチ物」と呼んでいるそう

満面の笑顔で「どうぞかけてみてください」という光瀬さんに促され、参加者のひとりがサングラスをかけてみると…。
「すごいカッコいい人がいるよ!」「ホントだ!」など口々に話しながら、チラチラ参加者を見ながら、会場に潜んでいた俳優たちが脇を通り抜けていきました(笑)

「サングラスをかけた=スイッチを押した」人は、ほんの一瞬意図せず物語に巻き込まれる…、何だか狐につままれる感じ・・・でも面白い!!!

「音楽はBGMにできる、絵画は後ろを向いて見ないようにしてしまえば良い、でも演劇は無視し辛い。始まってしまったら、「観なきゃいけない」という気がする。でも、劇場に来る人は限られている。じゃあ、劇場ではない場所で演劇を観に来たわけではない人にどうやったら演劇体験をしてもらえるのだろうか・・・?」
そんな問題意識から「スイッチ総研」をスタートさせた、と光瀬さん。
他にも、マジックのキャップを外すと「サインください!」と俳優が駆け寄ってくる、などなど・・・、試行錯誤の中から生まれた「スイッチ」のレパートリーが、現在では何と300個にものぼるそうです。

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これは虫眼鏡を使った「スイッチ」。虫眼鏡でメモを覗いてみると・・・

また、スイッチ総研の所訓は、「大人気ないことを大人のやり方で」。
劇場では、お客様は客席という守られた場所から舞台上の出来事を覗き見している、一方「スイッチ」では、舞台に突然上げられて芝居をさせられる。だからこそ「単に面白い」だけではなく、お客様が気恥ずかしさや不便を感じないよう、徹底的に配慮するのだそう。
「自分とは快・不快、面白い・面白くないが異なる他人がいる、ということについて想像力をフルに働かせる」という光瀬さんの言葉がとても心に残りました。

さて、座学が終わり、スイッチについて理解を深めた上で・・・いざ会場となる駿府城公園へ!!
3班に分かれ、実際にスイッチを開発してみます。

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「すごいスイッチを創ることではなく、同じ班のメンバーの意見を聞き、尊重し合ってより良いものを創ることが大切」と光瀬さん。各班スイッチのネタを考えては、より面白くなるようアイデアを出し合います。

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そして発表会。
どれも静岡ならでは、のネタが満載の秀逸な「スイッチ」で、とても今日初めて顔を合わせた人同士が20分足らずで創ったものとは思えないほどでした。

本番に向けて、いくつかのアドバイスも。
*お客様にしていただく動作はできるだけシンプルで負担のない簡単なものあること
*一発目でどんな状況なのかお客様に伝わるように
*トピックは複数あるとわかりにくいので、整理してひとつにすると良い
*お客様が気恥ずかしくならないように、目線にも注意を払う
などなど・・・。

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本番ではどんな「スイッチ」が駿府城公園周辺に出現するのでしょうか…?
「大人気ないこと」と「大人のやり方(気配り)」に満ちた30秒~3分の演劇。
ぜひ実際に体験してみてください!!

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スイッチ総研「ふじのくにストレンジシードスイッチ」
5/3(火・祝)~5(木・祝)
駿府城公園外堀、二ノ丸橋前歩道周辺
※事前予約不要、観劇無料

★ほかにも期間中静岡市内中心部や駿府城公園にて多彩なパフォーマンスを上演します。
ストレンジシードの詳細はこちら

★5/2(月)~5(木・祝)、SPAC新作『イナバとナバホの白兎』も駿府城公園でプレ上演。
ストレンジシードから『イナバとナバホの白兎』まで、ぜひハシゴ観劇で!!
詳細はこちら
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blog 最終更新日:2016年4月11日 9:24 PM

【三代目、りちゃあど】茂山童司さんによる狂言ワークショップレポート

4月3日、『三代目、りちゃあど』出演者の茂山童司さんによる狂言ワークショップ
「狂言事始め 笑いのワークショップ」を開催いたしました!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

20名近くの方にご参加いただいた今回のワークショップ、
まず教えていただいたのは基本的な身体の構えや歩き方。
最初の方は皆さん少しだけ緊張されているようでしたが、
講師の茂山さんのお人柄のおかげもあり、すぐに柔らかい空気になりました。

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▲歩くだけでも難しい…? 皆さん、足元から目が離せません。

さらに、
日常でも私たちがよくしている動作が狂言ではどのような所作になっているのか、
扇子を使ってどのような表現がされているのか、
狂言では動物たちはどんな鳴き声でどんな動きをするのか…?
などなど、短い時間ながら、どんどん狂言の要素を教えていただきます。

2

そして最後のパートは…
習ったばかりの様々な所作をベースにして、
昔話や童話を狂言で演じてみよう!という時間でした。

桃太郎、アリとキリギリス、北風と太陽、…などなど、
いくつかのグループに分かれてそれぞれに創っていきます。

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▲各グループをまわってアドバイスをなさる茂山さん。

最後の発表会ではすでにみなさん笑う準備も万端、
「笑いのワークショップ」のタイトルの通り、
3時間前に集まった参加者の皆さんがここまで盛り上がれるのか、とびっくりするほど
たいへん賑やかな午後となりました。

3

演劇を専門に活動しているわたしたちSPACですが、
こうして古典芸能に触れていただける機会はなかなかありません。
本当に多彩なジャンルから出演者が集う今回の『三代目、りちゃあど』ですが
そんな出演勢のひとりでいらっしゃる茂山童司さんの狂言の世界、
短い時間ながら楽しんでいただけたことと思います。

そんな茂山さん、
オン・ケンセンさんの演出の中では、どのように舞台にお立ちになり、
どのように野田秀樹さんの戯曲の言葉を語られるのでしょうか。
秋以降はシンガポール公演や国内ツアーも予定されている本作ですが、
静岡で作品が生まれる瞬間が… 私たちも待ち遠しいです!

ふじのくに⇄せかい演劇祭2016の開幕まで、
そしてオン・ケンセン演出『三代目、りちゃあど』の世界初演まで、
あと20日を切りました。
『三代目、りちゃあど』、既にたくさんのご予約・お問い合わせをいただいており、
中でも千穐楽の5月1日(日)の公演は2階席でも残席が少なくなってきております。
どうぞお早目にお問い合わせくださいませ!
 
 
Richard Sandaime

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野田秀樹 作  国際共同制作
『三代目、りちゃあど』
作:野田秀樹 演出:オン・ケンセン
4/29(金・祝)~5/1(日) 静岡芸術劇場
☆公演の詳細はこちら
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