こんにちは。
今回のブログでは、制作部の雪岡から『大女優になるのに必要なのは偉大な台本と成功する意志だけ』の見どころをご紹介します。
メキシコから招聘される本作のいちばんの見どころは、目の前で繰り広げられる女優二人の体当たり演技です!
冒頭のシーン、一方は使用人のように水周りでせっせと働きますが、もう一方はご主人さまのようにこき使い、あれやこれや横から口を出し、次第に言い争いへと発展していきます。
激しいぶつかり合いにハラハラしますが、実はこのけんかは、けんかをしているふりの「ごっこ遊び」! つまり、演技で、「劇中劇」のようなものです。
ジャン・ジュネの戯曲『女中たち』の設定が借りられていて、二人の女中が奥さまの留守中に、一人が奥さまの役、もう一人が女中の役を演じるという「ごっこ遊び」が興じられていたのでした。
皆さんも、学校にいる変わった先生や会社の上司など、仲間とモノマネをして遊んだりしていませんか? 恐らく彼女たちもそんなノリで鬱積した気分を発散し、日々を楽しんでいるのかもしれません。
女子プロレスさながらに、熱気ムンムン、気持ちも身体もぶつけ合う、手加減なしの格闘演技が続いていきます。
しかし演技の熱が冷めると、狭く薄汚い部屋に転がるのは、貧しい現実と孤独。貧困という境遇の中で闘いながら生きているようです。それでも、共に過ごす人がいれば大丈夫!
ふざけ合いながらお皿を洗うこともあれば…、
くだらないことで張り合い、競って掃除をすることもあれば…、
大げんかでこみあがり、涙をこぼしながらご飯を食べることもあったり。
そして…
彼女たちの生活は、「ごっこ遊び」やフラメンコの音楽と踊り、
おやすみ前に語る「おとぎ話」など、
自分を少し高めてくれたり、心を豊かにしてくれる、劇的な瞬間で溢れています。
姉妹のような、悪友のような、睦み合う姿はなんだか微笑ましくておもしろい!
最後に上演会場についてもご紹介します。
会場となる「レストラン フランセ」は、静岡市内の七間通りに佇むビルで、昭和30年代に建てられました。かつて2階はレストランとして、3階は結婚式場としても使われていたそうです。ちなみに1階ではパン屋さんが営業されており、美味しいパンが食べられます。
▲ 「レストラン フランセ」外観
▲ 上演会場の3階フロアへと続く階段
▲「レストラン フランセ」3階の様子
どこか懐かしく落ち着いたレトロな空間での、女優の二人芝居にどうぞご期待ください!
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『大女優になるのに必要なのは偉大な台本と成功する意志だけ』
演出・作:ダミアン・セルバンテス
製作:Vaca35 (バカ35)
5月4日(金・祝)16:30開演、5日(土・祝)13:30開演/16:30開演、
6日(日)16:30開演
レストラン フランセ 3F (静岡伊勢丹向かい)
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