BLOG

blog 最終更新日:2018年4月7日 7:24 PM

『民衆の敵』「私たちにとってよいもの」とは何か

『民衆の敵』1

文芸部 横山義志

トーマス・オスターマイアーとはここ10年近く、毎年のように出会い、毎年のように作品を観てきて、何度も「次は静岡で」という話をしてきたので、ようやく実現できて、ちょっと感慨深いです。

オスターマイアーはアヴィニョン演劇祭で毎年のように作品を発表しています。ドイツ国外で最もよく知られたドイツの演出家の一人でしょう。でも、日本で作品を紹介するのは実に13年ぶりだと言います。

そういえば、はじめてのオスターマイアーとの出会いは、ちょっと不思議なものでした。アヴィニョンの郊外に、上演時間が何時間もある作品を観に行ったのですが、途中で市内に帰らなければならなくなりました。一人で劇場の外に出たもののタクシーもつかまらず、途方にくれていると、同じく劇場から出て来た人が車に乗ろうとしていたので、声をかけてみました。振り向くとサングラスをかけた大男で、快く乗せてくれました。ドイツ訛りのフランス語を話し、大きなドイツ車を運転している姿を見て、どこかで見かけたような気がして、「アーティストの方ですか?」と聞いたら、「トーマス・オスターマイアーです」とおっしゃって・・・。それから会うたびに、次にいつ日本でできるかな、という話をしたものでした。

壁が崩壊した直後のベルリンで激動の時代に青年時代を送ったオスターマイアーは、1999年に若干31歳で西ベルリンを代表する劇場シャウビューネの芸術監督になりました。日本では2005年に『ノラ』と『火の顔』を上演しています。イプセン『人形の家』の翻案『ノラ』では、ヒロインのノラが幕切れで夫と子どもを置いて出て行くかわりに、夫を撃ち殺してしまう場面が話題になりました。オスターマイアーが古典となった作品を上演するときには、つねに「それが発表されたときの衝撃を今の観客に体感してもらうにはどうすればよいのか」という問いかけがあるようです。

ノルウェー出身のイプセンは、シェイクスピアに次いで、世界で二番目に多く上演されている劇作家です。オスロ大学が6000近いイプセン作品の上演について調査したところ、オスターマイアーはイプセンの演出において最も影響力のある演出家であることが分かったといいます。オスターマイアーがツアーで回った都市では、別の演出家が同じイプセン作品を手がけるケースが多い、というのです。なぜそうなるのでしょう。

オスターマイアーははじめてイプセンの戯曲を読んでみたとき、「なんだ、お金の話ばかりじゃないか」と思ったのだそうです。イプセンの作品が私たちの心に迫るのはまさにそのためだろう、とオスターマイアーは言います。今の社会では、多くの人が今ある地位を失い、収入を失う恐怖のなかで暮らしています。近代以降の社会において、私たちは生まれながらの家族関係や身分や地縁から比較的自由になった反面、仕事とお金に大きく依存して生きています。仕事もお金も、ちょっとした社会的・経済的状況の変化によって、いつ失われるか分かりません。『民衆の敵』も、誰もが抱えているそんな恐怖についての作品でもあります。

はじめて『民衆の敵』を観たのは2012年のアヴィニョン演劇祭でした。今でも、ディスカッションの場面の興奮をよく憶えています。主人公の医師トーマスは温泉町の源泉に工場排水が混入していることに気づき、対策を呼びかけます。町民たちは、はじめはトーマスの研究を賞讃するのですが、その解決のためには数年間温泉を閉鎖し、多額の費用をかけて大工事をしなければならないことが分かると、掌を返したように離れていきます。温泉を閉鎖してしまうと商売が成り立たなくなる、というわけです。トーマスは多くの町民から敵視されながらも、集会を開き、町民に向かって最後の訴えをしようとします。その場面で、観客は町民となり、議論に巻き込まれていきます。東日本大震災のあとだったこともあり、日本ではどんな議論になるだろうと想像させられました。

『ハムレット』、『リチャード三世』、『マリア・ブラウンの結婚』など、記憶に残る作品はいくつもありましたが、昨年アヴィニョンでオスターマイアーと話したときに、やはり『民衆の敵』をやろう、という話になりました。今、日本で上演すべき作品はこれだろう、と思ったのです。でも日本だけでなく、この作品がこれだけ世界中で上演されてきたのは、きっと今、世界中で、経済と民主主義との折り合いが難しくなっていることが実感されてきているからでしょう。

この意味で、オスターマイアーの『民衆の敵』という作品は、ドイツにおける劇場の公共性という理念を体現している作品ではないかとも思います。シャウビューネはもともとは私立劇場でしたが、社会的テーマをもった作品を次々に発表することで評価を得て、今では大きな公的助成を受けて活動しています。シャウビューネに世界的名声を与えたのは、1970年に芸術監督に就任した演出家ペーター・シュタインでした。シュタインがその直前の1968年に上演したペーター・ヴァイス作『ベトナム討論』は、当時の西ドイツ社会全体を巻き込むような事件となりました。劇場が公共の資金をもって運営されているのはなぜなのか。それは、そこがまさに公共性というもの自体、つまり「私たちにとってよいものとは何か」ということ自体を問い直し、議論するための場でもあるからだ、とオスターマイアーは考えているのだと思います。

(参考リンク)
劇作家のための演劇を目指す 新生シャウビューネのオスターマイアーに聞く(国際交流基金Performing Arts Network Japan、2005年)
【ポストパフォーマンストーク】シャウビューネ劇場『ノラ~イプセン「人形の家」より』06/20世田谷パブリックシアター(「しのぶの演劇レビュー」、2005年)

================
『民衆の敵』
演出:トーマス・オスターマイアー
作:ヘンリック・イプセン
出演:クリストフ・ガヴェンダ、コンラート・ジンガー、エファ・メクバッハ、レナート・シュッフ、ダーヴィト・ルーラント、 モーリッツ・ゴットヴァルト、 トーマス・バーディンク
製作:ベルリン・シャウビューネ

4月29日(日)19:00開演、30日(月・祝)14:30開演
静岡芸術劇場
*詳細はこちら
================

『民衆の敵』2

『民衆の敵』3

『民衆の敵』4

『民衆の敵』5

『民衆の敵』6

『民衆の敵』7

 

 

blog 最終更新日:2018年4月5日 12:53 PM

『シミュレイクラム/私の幻影』シミュレイクラムってどんな意味?

今回このノルウェー・オスロからの招聘作品『シミュレイクラム/私の幻影』を担当しています、制作部の計見(けいみ)です。

さて、今年の演劇祭で唯一のダンス作品でもある、『シミュレイクラム/私の幻影』・・・シ、シミュ?シミュレイクラム??と、耳馴染みのない言葉がタイトルにありますが、これは「表象、イメージ」を意味するラテン語<simulacrum>を語源とする言葉で、日本語に訳すと【像、似姿、幻影、面影、偽物、見せかけ】となります。

20180404182417_00001 (2)
▲今回の公演チラシ

この作品の演出、振付をされたアラン・ルシアン・オイエンさんは以前より、フランス人哲学者、思想家のジャン・ボードリヤールの「シミュラークル=模擬・模造・幻影の意。複製としてのみ存在し、実体をもたない記号のこと。記号がひとり歩きして現実を喪失する状態のこと。」という思想に興味を持っていました。同じような言葉で「シミュレーション(模擬実験)」というのがありますが、ボードリヤールは<シミュラークルの産出過程をシミュレーション>とし、この考え方は現代美術に大きな影響を与えています。

このような思想を軸に、血筋をもって継承される日本の伝統芸能である歌舞伎をどう捉えるか、というところからこの作品の創作はスタート。確かに、クラシックバレエやフラメンコ、日本舞踊などは模倣することで受け継がれ、その模倣されたものがオリジナルになりますよね・・・

作中でも、アルゼンチン生まれのコンテンポラリーダンサー、ダニエル・プロイエットさんが女形の歌舞伎舞踊を舞うのですが、それをアランさんは、インタビューの中で「完璧なシミュレイクラム」という風に表現されています。
Simulacrum.Photo credit Erik Berg.0282

 
さて、アラン・ルシアン・オイエンさんという方、ご自身が主宰されている芸術家集団ウィンター・ゲスツでの活動の他にも、去年11月にパリのシャイヨー国立劇場で本作を上演後、今年に入ってすでに他の演出作2作品が同劇場で立て続けに上演されていたり、この6月には、 度々来日公演を行い日本でも熱狂的なファンを持つ、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団で長編新作を手掛ける、初めての外部演出家のひとりに選ばれるなど、今ヨーロッパで最も注目を集める演出、振付家です。

【こちらを使用】Alan Lucien Ø 1_c_massimo_leardini
▲演出・振付のアラン・ルシアン・オイエンさん

アランさんは、ノルウェーのベルゲンという街で育ちました。このベルゲンには『民衆の敵』の作者でもあるヘンリック・イプセンが設立した国立劇場があり、アランさんのお父様はこの劇場で衣裳係をされていたそうです。その影響で、幼いころから劇場や演劇に触れ、古典作品だけでなく、「イプセンの再来」「20世紀のベケット」とも呼ばれるノルウェー人劇作家ヨン・フォッセの世界初演なども、目の当たりにしていて、その後、ダンサーとしてのキャリアをスタートされますが、幼いころのこういった経験が、現在のダンスと演劇を横断するような作風に大きく影響しているのだとか。

ダンスや演劇などのジャンルを超えて、幅広く楽しんでいただける作品となっていますので、皆さまのご来場を心よりお待ちしております♪

================
『シミュレイクラム/私の幻影』
演出・振付:アラン・ルシアン・オイエン
歌舞伎舞踊振付/音楽『Natsue』:藤間勘十郎
出演・振付:小島章司、ダニエル・プロイエット
製作:ウィンター・ゲスツ
5月3日(木・祝)12:30開演、4日(金・祝)12:30開演
静岡芸術劇場
*詳細はこちら
================

blog 最終更新日:2018年3月29日 7:54 PM

『夢と錯乱』ふたたび光を見出すためには、一度死を経験しなければならないときもある

SPAC文芸部 横山義志

『夢と錯乱』は最後の作品になる、と演出家クロード・レジは言っています。もうこの先、自分が納得のいく作品は作れないだろうから、と。レジさんは今94歳。もうすぐ95歳になります。

個人的な話になりますが、フランスに留学していたころ、毎年レジさんの作品を観に行くときだけは、とにかくその瞬間に集中できるように、一週間前から生活のリズムと体調を整えて、なるべく一人で、一時間前には劇場に着くようにしていました。そして終わったら、なるべく人に会わないように劇場を出て、余韻を持ち帰ろうとしたものでした。

はじめてレジさんの作品を観たときの衝撃は、今でもよく憶えています。ほとんど生理的に耐えがたいような経験でした。でも、この経験は自分のうちの何かを開いてくれるものだ、という直観がありました。この経験を受けとめられるようになれば、何か違うものが見えてくるのではないか、と感じたのだと思います。舞台作品を見て、この作品を受け止められるような人間になりたい、と思ったのは、これが初めてだったかもしれません。

全てが溶けてしまったような、まったくの暗闇がつづき、時間がどれくらい経ったのかも分からなくなる頃、ぼんやりと、少しずつ、人影が見えてきます。ベンチに座った男女、と気づくまで、何分かかったのかも分かりません。全く動かない人影。よく見ると、少しずつ口を開いているようです。男が本当に小さな声でつぶやくのが、大きな地響きのようにすら感じました。ヨン・フォッセ作『誰か、来る』という作品で、1999年のことでした。

それ以来、レジさんの作品を日本で紹介するのが、私の夢のようなものになっていました。落ち着きのないフランスの観客よりも、日本の観客の方が、このレジさんの世界を受けとめてくれるのではないか、という気もしていました。とりわけ、これから作品を作っていく世代に、こんな世界もありうる、ということを体感してもらいたいと思っていました。

それから、いろいろな偶然が重なって、2007年からSPACで働かせていただくことになりました。レジさんの作品に出会っていなかったら、現場で働くことを選んでいなかったかも知れません。でも、実際に劇場で働く側になってみると、こんな作品を上演するのがいかにリスキーなことかも分かってきました。

2009年のアヴィニョン演劇祭でレジ演出、フェルナンド・ペソア作『海の讃歌』を観たあと、一緒に観た宮城さんと制作スタッフと三人で、夜中の3時くらいまで、この作品を招聘することがありうるか、延々と議論して、結局「やっぱり無理じゃないか」という結論に至りました。男が一人、ほとんど暗闇のなかで、一歩も動かず、二時間ペソアの詩を語りつづける、という作品でした。そのときは、たしかに無理かもな、と思って、諦めていました。それから紆余曲折あって、2010年の演劇祭で上演できることになりました。その初日、水を打ったように静かな楕円堂の客席から、終演後一呼吸、二呼吸置いて、割れるような拍手が響いたときには、本当にこの劇場で働いていてよかった、と思いました。お客さんはもちろんですが、こんな作品を好きになってくれるスタッフがこれだけいる劇場というのも、世界中探しても、なかなかないでしょう。それに、日本平の山のなかで、舞台芸術公園の木立の下を一番奥まで歩いて、さらに地下に降りていかないとたどりつけない楕円堂ほど、この作品にふさわしい劇場はなかなか見つからなかったと思います。

それから、まさかレジさんと一緒に作品を作れることになるとは思いませんでした。レジさんが楕円堂でSPACの俳優とともに作り上げたメーテルリンク作『室内』は、2014年に初演されてから、アヴィニョン演劇祭、フェスティバル・ドートンヌ(パリ)、ウィーン芸術週間、クンステン・フェスティバル・デ・ザール(ベルギー、ブリュッセル)、アジア芸術劇場オープニング・フェスティバル(韓国、光州)、神奈川芸術劇場と世界各地で上演されました。作品のために最良の環境を求めて、なかなかフランスの外に出ようとしなかったレジさんが、日本平で作品を作ったことをきっかけに、これだけあちこちに足を運んでくれたのも、とてもうれしく思いました。フランス演劇の極北ともいえる歴史が、こうしてアジアとつながったのも。

レジさんはフランス演劇史のなかで最もクレイジーな演出家の一人、アントナン・アルトーの弟弟子でもあります。二人とも、シャルル・デュランという戦前のフランス演劇を代表する演出家の一人に師事していました。レジさんがパリの劇場で仕事をはじめたころ、劇場には馬小屋があって、デュランは馬で通っていたといいます。その後演出家として独立してからは、古典戯曲の読み直しによる再演が主流のフランス演劇界にあって珍しく、現代作家による新作を中心に演出活動をつづけてきました。マルグリット・デュラスやナタリー・サロートなどのフランスの作家だけでなく、イギリスのハロルド・ピンターやサラ・ケーン、ドイツのボート・シュトラウスやオーストリアのペーター・ハントケ、ノルウェーのヨン・フォッセやタリエイ・ヴェースオースなど、レジの演出によってフランスで知られるようになった作家は少なくありません。

レジさんがゲオルク・トラークルの詩『夢と錯乱』に興味を持っているという話は、もう何年も前から聞いていました。他にもいくつか、やりたい作品を考えていらしたようで、まさかこの作品が最後になるとは思いませんでした。最後の作品として、若くしてほとんど無名のうちに亡くなった、このかなりパンクな詩人の作品を選んだのは、レジさんらしいという気もします。

ヤン写真(プレス発表会)

3月15日の記者会見には、香港公演を終えた俳優のヤン・ブードーさんが駆けつけてくれました。ヤンさんは「テクストには書かれていることと、書かれていないことがあります。詩人が言葉にできたことと、言葉にできなかったこと、あるいはあえてそうしなかったこと。その両方を、俳優はその身体を通じて、感じとることができなければならないのです」とおっしゃっていました。

トラークルが死の数ヶ月前に書いた、日本語で10ページにも満たない詩のなかには、27年の短い生涯の中で、詩人が感じた苦悩と歓喜とが凝縮されています。ヤンさんは「ふたたび光を見出すためには、一度死を経験しなければならないときもある」ともおっしゃっていました。一度は俳優をやめて農業をやっていたことがあるヤンさんにも、そんな時期があったのかも知れません。レジさんの作品もトラークルの詩も、観てから時間をおいて、人生の節目で脳裡に蘇ってくるような、ちょっと時限爆弾のような作品だと思います。

レジさんの作品には録画はなく、劇場でしか体験できません。楕円堂での公演はあっという間に満席となってしまいましたが、まだキャンセル待ちもございますし、京都公演もあります。観ないといけないような気がしてきた方は、なんとかぜひ試してみてください。

 

 

214-REVE-ET-FOLIE-Pascal-Vi

 

================
『夢と錯乱』
演出:クロード・レジ
作:ゲオルク・トラークル
仏語訳:ジャン=クロード・シュネデール、マルク・プティ(ガリマール社)
出演:ヤン・ブードー
製作:アトリエ・コンタンポラン

4月28日(土)16:00開演、20:30開演、29日(日)16:00開演、30日(月・祝)20:30開演
舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
*詳細はこちら

*京都公演(5月5日、6日)についてはこちらご参照ください。
ドキュメンタリー映画『クロード・レジ:世界の火傷』の上映(4月21日)もございます。

関連記事:
レジ『彼方へ 海の讃歌』奮戦の記/横山義志(2010年)
『彼方へ 海の讃歌』公演情報
●不定期連載 クロード・レジがやってきた(1)~(6)/横山義志(2013年、『室内』クリエーションに向けて)
(1) (2) (3) (4) (5) (6)
『室内』出演俳優によるヨーロッパ・ツアー レポート(2014年)
『室内』 最終公演を終えて/横山義志(2015年)
『室内』公演情報(2015年)
================

blog 最終更新日:2018年3月26日 12:14 PM

『大女優になるのに必要なのは偉大な台本と成功する意志だけ』女優二人の格闘演技!

こんにちは。
今回のブログでは、制作部の雪岡から『大女優になるのに必要なのは偉大な台本と成功する意志だけ』の見どころをご紹介します。

メキシコから招聘される本作のいちばんの見どころは、目の前で繰り広げられる女優二人の体当たり演技です!

冒頭のシーン、一方は使用人のように水周りでせっせと働きますが、もう一方はご主人さまのようにこき使い、あれやこれや横から口を出し、次第に言い争いへと発展していきます。

1

激しいぶつかり合いにハラハラしますが、実はこのけんかは、けんかをしているふりの「ごっこ遊び」! つまり、演技で、「劇中劇」のようなものです。

ジャン・ジュネの戯曲『女中たち』の設定が借りられていて、二人の女中が奥さまの留守中に、一人が奥さまの役、もう一人が女中の役を演じるという「ごっこ遊び」が興じられていたのでした。

皆さんも、学校にいる変わった先生や会社の上司など、仲間とモノマネをして遊んだりしていませんか? 恐らく彼女たちもそんなノリで鬱積した気分を発散し、日々を楽しんでいるのかもしれません。

2

女子プロレスさながらに、熱気ムンムン、気持ちも身体もぶつけ合う、手加減なしの格闘演技が続いていきます。

しかし演技の熱が冷めると、狭く薄汚い部屋に転がるのは、貧しい現実と孤独。貧困という境遇の中で闘いながら生きているようです。それでも、共に過ごす人がいれば大丈夫!

3

ふざけ合いながらお皿を洗うこともあれば…、

4

くだらないことで張り合い、競って掃除をすることもあれば…、

5

大げんかでこみあがり、涙をこぼしながらご飯を食べることもあったり。

そして…

6

7

彼女たちの生活は、「ごっこ遊び」やフラメンコの音楽と踊り、

8

おやすみ前に語る「おとぎ話」など、
自分を少し高めてくれたり、心を豊かにしてくれる、劇的な瞬間で溢れています。
姉妹のような、悪友のような、睦み合う姿はなんだか微笑ましくておもしろい!

 
 

最後に上演会場についてもご紹介します。
会場となる「レストラン フランセ」は、静岡市内の七間通りに佇むビルで、昭和30年代に建てられました。かつて2階はレストランとして、3階は結婚式場としても使われていたそうです。ちなみに1階ではパン屋さんが営業されており、美味しいパンが食べられます。

9
▲ 「レストラン フランセ」外観

10
▲ 上演会場の3階フロアへと続く階段

11
▲「レストラン フランセ」3階の様子

どこか懐かしく落ち着いたレトロな空間での、女優の二人芝居にどうぞご期待ください!

 

================
『大女優になるのに必要なのは偉大な台本と成功する意志だけ』
演出・作:ダミアン・セルバンテス
製作:Vaca35 (バカ35)
5月4日(金・祝)16:30開演、5日(土・祝)13:30開演/16:30開演、
6日(日)16:30開演
レストラン フランセ 3F (静岡伊勢丹向かい)
*詳細はこちら
================

blog 最終更新日:2018年3月21日 11:49 AM

東京プレス発表会を開催しました!

3/15(木)に<ふじのくに⇄せかい演劇祭2018 東京プレス発表会>を開催。 多くのプレス関係者、演劇・劇場関係者の皆さまにご出席いただき、盛況のうちに終了いたしました。 その様子をこちらでも少しご紹介します♪ 今年の会場は、ゲーテ・インスティテュート東京(東京ドイツ文化センター)の図書館。 ドイツ語やドイツ関連の書籍に囲まれた、明るい会見場となりました。

①

今回はゲスト登壇者に、『夢と錯乱』にご出演の俳優、ヤン・ブードーさん、『シミュレイクラム/私の幻影』にご出演される舞踊家の小島章司さん。 そして、ゲーテ・インスティテュート東京の所長、ペーター・アンダースさんをお迎えし、皆さんのお話しを交えながら今年のラインナップをご紹介しました。

まずは、約13年ぶり!待望の来日となるトーマス・オスターマイアー氏率いるベルリン・シャウビューネの『民衆の敵』。 ドイツ演劇界の大スターでもあるオスターマイアー氏のメッセージビデオをご覧いただき、ゲーテ・インスティテュート東京 所長のアンダースさんから作品の見どころについてお話しいただきました。(メッセージビデオは追ってアップいたします!)

②

③
▲右:ペーター・アンダースさん、中央:小高慶子さん(通訳)

続いて、SPACとも固い絆で結ばれたフランス演劇界の至宝、クロード・レジ演出の『夢と錯乱』について、ブードーさんにお話しいただきました。 ブードーさんは、1996年にクロード・レジさんのワークショップに参加して以降、レジさんの作品に多数ご出演されおり、今回は香港での公演を終えたその足で、このプレス発表会のために駆け付けてくださいました!

④
▲左:ヤン・ブードーさん、右:SPAC文芸部 横山義志(通訳)

そして、フラメンコ界のレジェンド、舞踊家の小島章司さんのお話しを交えながら、『シミュレイクラム/私の幻影』をご紹介。 演出のアラン・ルシアン・オイエンさん、共演のダニエル・プロイエットさんとの、数年に渡った創作の様子についてお話しくださいました。

⑤
▲小島章司さん

宮城演出の『寿歌』『マハーバーラタ~ナラ王の冒険』を含む、全8作品のご紹介のほか、「ストレンジシード」のプログラムディレクター、ウォーリー木下さんほか、参加アーティストの皆さんからのメッセージビデオをご覧いただきました。
早速、プレス発表会の様子をステージナタリーさんが記事にしてくださいましたので、あわせてご一読ください♪ https://natalie.mu/stage/news/273792

4 / 512345
↑ Page Top
Event Schedule