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blog 最終更新日:2018年4月20日 4:10 PM

『シミュレイクラム/私の幻影』日本のフラメンコの歴史

計見さんと共に『シミュレイクラム/私の幻影』を担当しています、制作部の西村です。
この春からSPAC制作部の一員となり、演劇祭ではこちらのダンス作品を担当することになりました。
とはいえ私自身ダンスにはあまり馴染みがなく…。
今回のブログでは、担当するにあたって勉強した日本のフラメンコの歴史を少し紹介します!

日本のフラメンコ人口は、なんと本場・スペインについで2位!
本格的なダンスだけでなく習い事としてなど、幅広い層に人気です。
では、フラメンコは日本にいつ・どのように伝わってきたのでしょうか。

フラメンコは、19世紀にスペインで生まれ、日本に伝わってきたのは20世紀になってから。
スペイン人によるスペイン舞踊の公演は1929年のラ・アルヘンティーナの来日が初でした。
こうした来日公演が、後に日本フラメンコの先駆者となる人物たちに大きな影響を与えました。

本作に出演される小島章司さんも、そうした先駆者のうちの一人です。
小島さんは、“フラメンコ界のレジェンド”と呼ばれる今年78歳の現役フラメンコダンサー。
日本人がフラメンコを習得するためにスペインに行くようになったのは、1960年代に入ってからで、
小島さんも1966年に単身スペインへと旅立ちました。(当時の交通手段は、なんとあのシベリア鉄道!)

留学の翌年早くもプロとしての活動を開始し、1970年のテレビ出演をきっかけにアンダルシア各地の一流タブラオ(*1)やフェスティバルで活躍するようになります。渡西から10年が経ち、故郷である日本に戻った小島さんは、作品を発表するだけでなく、スペインから一流のアルティスタ(*2)を日本に招くということも続けました。また、80年代以降には、日本のフラメンコを本場スペインで公演するという快挙も行われるようになりました。

Simulacrum. Photo credit Martin Flak
▲本作の舞台写真

小島さんは、舞踊家生活50年のインタビューで、未来のフラメンコの担い手に対して以下のように語っています。

“一つのちゃんとしたテーマなり、コンセプトなり、自分の哲学なり、そういうものを大げさではなくアピールできるように、人間の根源的な教養を培ってほしい。そして、それを比較芸術論として、芝居や音楽など、あらゆるジャンルの芸術と比較できるだけの、対等な力と芸術性を養いながら挑戦していただきたい。それが私の願いです。”

こうした意識を持ち、日本のフラメンコの普及と発展に貢献してきた小島さん。本作は小島さんと、アルゼンチン出身のコンテンポラリーダンサー、ダニエル・プロイエットの二人のライフヒストリーからなる作品です。
磨き抜かれたカリスマの身体とその軌跡を、ぜひ劇場でご覧ください!良いお席はお早めに♪

(*1)タブラオ…フラメンコを専門に見せる店のこと
(*2)アルティスタ…アーティストのこと

<参照:パセオフラメンコ2007年11月号>
 
『シミュレイクラム/私の幻影』関連ブログ
(その1)東京での稽古にお邪魔してきました!
(その2)シミュレイクラムってどんな意味?

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『シミュレイクラム/私の幻影』
演出・振付:アラン・ルシアン・オイエン
歌舞伎舞踊振付/音楽『Natsue』:藤間勘十郎
出演・振付:小島章司、ダニエル・プロイエット
製作:ウィンター・ゲスツ
5月3日(木・祝)12:30開演、4日(金・祝)12:30開演
静岡芸術劇場
*詳細はこちら
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blog 最終更新日:2018年4月19日 10:33 AM

『ジャック・チャールズvs王冠』6万年の歴史を見つめながら、「明日」を夢見ること

SPAC文芸部 横山義志

オーストラリア現代演劇は、かつてない地殻変動を経験しています。先住民アーティストと先住民プロデューサーたちが、言ってみればほぼ二世紀ぶりに、この大陸の舞台芸術を牽引する状況ができつつあるのです。この状況を30年近くにわたって準備してきたのが、オーストラリアで最も長く活動している先住民劇団イルビジェッリです。「イルビジェッリ」はメルボルンの先住民クリン人(Kulin Nation)の言葉で「一緒にお祭りに行こう」という意味で、1990年に創立されました。『ジャック・チャールズvs王冠』は近年の代表作で、オーストラリアの友人に聞くと必ず「あれはすごい作品だ、ぜひ日本に紹介してほしい」と言われたものでした。「盗まれた世代」(1869年~1969年頃、先住民の子どもを白人家庭や白人が運営する施設で育てて「同化」させる政策の被害者たち)の一人で、幾度も犯罪や薬物に手を染めながら、演技や音楽、陶芸を通じて自己に打ち克ってきたジャック・チャールズは、オーストラリア先住民の苦悩と再生を象徴する存在となっています。この作品については、制作部の林さんによる詳しい紹介がありますので、こちらをご覧ください。
『ジャック・チャールズ vs 王冠』ジャックおじさんの波乱万丈物語(制作部・林)

私の方では、こういった作品が出てくる文脈を、自分が見てきた範囲でご紹介できればと思います。ここ数年、縁あって、毎年のようにオーストラリアを訪れるようになりました。オーストラリアの舞台芸術界は、ちょっと前までは西洋的なものが圧倒的な主流だったのですが、数年の間に状況がずいぶん変わってきました。たとえば、今年のオーストラリア舞台芸術見本市(APAM)では、ほとんどの公演、ほとんどのスピーチの前に、「私たちはこの土地の・・・族の過去・現在・未来の長老たちに敬意を表します」という挨拶が入るようになりました。また、ちょっと前までは、先住民が出演する作品も白人がプロデュースするのがふつうだったのが、近年は先住民自身がプロデューサーとなるケースが増えてきています。昨年、メルボルンで、そんなケースについてのリサーチをする機会がありました。私がはじめて劇団イルビジェッリを率いるレイチェル・マザに出会ったのもそのときでした。

メルボルンの先住民アーティスト・プロデューサーのジェイコブ・ボーム(Jacob Boehme)が立ち上げたイーランボイ・ファースト・ネイションズ・アーツ・フェスティバル(Yirramboi First Nations Arts Festival, Yirramboiはクリン人などの言葉で「明日」)では、作品を作り、プロデュースする枠組み自体を、先住民長老たち(elders)に相談しながらつくっていく試みがなされています。ボームはメルボルン市長とともに、「この地域の6万年の歴史を見つめながら、一緒に「明日」を夢見ていこう」と呼びかけています。

イーランボイ・ファースト・ネーションズ・アーツ・フェスティバル

アボリジナル・フラッグとイーランボイ・フェスティバル(メルボルン)

アボリジナル・フラッグとイーランボイ・フェスティバル(メルボルン)

例えば、映画製作のための助成金申請には、ふつう脚本を提出する必要があります。でも、先住民アーティストは、出会いが大事なのだから、あらかじめ脚本を書いても面白いものはつくれない、といいます。それでも先住民プロデューサーは、その人がすばらしい作品をつくるアーティストであることを知っているので、それを信頼して、脚本なしで助成金が得られるように助成団体を説得することに成功しました。

今ある枠組みでは、演劇、ダンス、音楽、ビジュアルアート等々といったジャンルのそれぞれで、見せる場所もお客さんも違うので、違う形でプロデュースすることになっています。でも、オーストラリア先住民には、そういったジャンルの区別はありません。これらは全て、物語を語るための手段と考えてられています。また、オーストラリア先住民には「ドリームタイム」という概念があるとされています(正確には、そのいくつかの部族の話から西洋人の人類学者が抽出した概念のようですが)。全てのものが生成し、名前がつけられていく時間です。この過程には完成はなく、つねにつづいていきます。だから、作品の完成という概念もありません。すべては常に創造の過程にある、というわけです。でも、これではふつう、プロデューサーは困ります・・・。時間の概念が違うので、スケジュールや予算管理では、いわゆる近代的・西洋的なアプローチとは違う方法をとらなければいけません。

すべてはアーティスト本人と直接の信頼関係を築くことにある、と先住民プロデューサーたちは言います。書類やお金やテクノロジーを媒介とするのではなくて、人と人との関係を築くこと。とにかくこの人なら、最後には何かすばらしいものを見せてくれるはずだと信頼すること。お互いにそれができるようになるには、時間をかけて、真に人間同士の関係を築く必要があります。もちろん、仕事に時間をかけすぎて、家族や友人をおろそかにしてもいけません。でも、アーティストも友人の一人なので、それは切り離せないものだ、というのです。ときには職場に子どもを連れて行って、アーティストたちと一緒に時間を過ごします。

いろいろ話を聞いているうちに、西洋近代が作ってきた「芸術」という枠組みを越えていける可能性がここにあるような気すらしてきました。そして、この動きは、アジアから新たな物の見方、枠組みを提案する際の参考にもなるのではないかと思います。

2014年にアジアン・プロデューサーズ・プラットフォーム(APP)が立ち上がったとき、日本、韓国、台湾、そしてオーストラリアの四カ国/地域のプロデューサーが中心となっていました。なぜそこにオーストラリアが入っているのか、ちょっと不思議に思っていました。でもアジアのあちこちで何度も出会って、仕事ぶりを見ていくなかで、この人たちは本当にアジアでパートナーをつくっていきたいんだ、と感じるようになりました。そして2017年、メルボルンで開かれたアジア舞台芸術トリエンナーレ(Asia TOPA)の機会に、メルボルンでAPPキャンプが開かれ、先住民プロデューサーたちのリサーチに参加したのでした。

ブリスベンで行われた今年のオーストラリア舞台芸術見本市(APAM)では、先住民とアジアに焦点が当てられていました。開催前のプレイベントとして、世界の先住民アーティストと先住民プロデューサーをつなぐ「グローバル・ファースト・ネーションズ・エクスチェンジ(Global First Nations Exchange)」、先住民によるダンスを紹介する「ブラックダンス・プレゼンター・シリーズ(BlakDance Presenter Series)」、そしてアジアのアーティストやプロデューサーを紹介する「パフォーミング・アジア(Performing Asia)」が行われました。開会式は現地の先住民がニュージーランド、グアム、カナダ、米国、チリ、台湾などの先住民を迎える、という形式で、各自が民族儀礼を披露していきました。そして二日目には世界各地の先住民アーティスト20組があちこちでパフォーマンスを行う「オリジナル・ピープルズ・パーティー(The Original Peoples’ Party)」が行われました。

APAM (Australian Performing Arts Market)

閉会式では、先住民アーティストを代表して、劇団イルビジェッリ主宰のレイチェル・マザによるスピーチがありました。ブリスベンでのAPAM開催は今回が最後で、次回からはメルボルンでの開催が決まっています。マザはメルボルンのアーティストの代表でもありました。そしてブリスベンの先住民長老からメルボルンの先住民長老へ(ともに女性でした)、APAM受け渡しの儀式が行われました。ブリスベンの長老は自分の部族の言葉で語ったあと、英語で「2000世代にわたって多様性を尊重する伝統が培われ、育まれてきたこの地に、このように世界の多様な文化を新たに迎え入れることができたことを誇りに思います」と語ります。メルボルンの先住民長老は涙ぐみながら英語で話しはじめ、「私は彼女が自分の部族の言葉で話せるのを本当にうらやましく思いました。私たちの言葉はほとんど失われ、私は今になって、若い者から少しずつ学んでいるのです・・・」と話していました。

一方で、この閉会式では紛糾の一幕もありました。オーストラリア先住民の歌手が、自分の貧しい生い立ちや家族のことを語りはじめ、歌をなかなか歌おうとせず、ついには沈黙して客席を眺めたあと、「これは私の時間だ、話を聞いてくれ。このちょっと先では人々が飢えて死んでいっているんだ!おれには金がいる!金がいるんだ!」と叫びだしました。「オリジナル・ピープルズ・パーティー」に参加し、大きな資金が動くアートマーケットの様子を実際に見てみて、自分が生まれ育ったコミュニティとのギャップに怒りを感じたようです。それを受けて、次に出演したカナダ先住民系のアーティストも、最近殺害された先住民と、処罰を免れた加害者について語りだし、その人々も含めた地球上の多くの霊たちに歌と踊りを捧げることを会場に呼びかけ、参加者の多くが何重にも輪になって踊りだしました。

APAM閉会式でのレイチェル・マザのスピーチ

APAM閉会式でのレイチェル・マザのスピーチ

オーストラリア先住民に市民権が認められたのは1967年、ジャックが24歳のときでした。そして「盗まれた世代」に対して、首相が公式の謝罪をしたのはその40年後の2008年で、ほんの10年前のことに過ぎません。自然を加工する技術を基盤に作られてきた「文明」と、自然に寄り添いながら育まれてきた文化とのあいだの溝は、まだなくなったわけではありません。でも人と人とが見つめ合う、舞台芸術と呼ばれている営みには、きっとその溝を埋め、互いに学び合うことを可能にする力が具わっています。ヨーロッパでつくられた舞台芸術の枠組みやシステムを変えていくには、まだまだ問題が山積みですが、ジャック・チャールズやレイチェル・マザと一緒に、6万年の歴史に学びながら、明日の世界について考えていく機会にできればと思います。

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『ジャック・チャールズ vs 王冠』

演出:レイチェル・マザ
作:ジャック・チャールズ、ジョン・ロメリル
音楽監督:ナイジェル・マクレーン
出演:ジャック・チャールズ、ナイジェル・マクレーン(ギター・ヴァイオリン)、フィル・コリングス(パーカッション)、マルコム・ベヴァリッジ(ベース)
製作:イルビジェッリ・シアター・カンパニー

5月6日(日)13:00開演
静岡芸術劇場
*詳細はこちら 
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blog 最終更新日:2018年4月16日 8:44 PM

『寿歌』~旅芸人一座の看板娘・キョウコ(たきいみき)~

こんにちは。『寿歌』キャラクター紹介ブログ・第二回目では、たきいみき演じる、一座の看板娘・キョウコをご紹介します。幼げで人懐っこい少女・キョウコは旅のムードメーカーで、終末の気配が漂う中でひときわ明るく華やかに輝き、みなを照らすような存在です。

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まだまだ遊び盛りの年頃で、日課は宝物探し!?荒野の中でも「なんか落ちとらへんかなー」とふらっと出かけていきます。ラジオを聴くための電池を探しにいったり、人形を拾って戻ってきたり、好奇心いっぱいです。

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▲ キョウコの遊び(宇宙交信ごっこ)に付き合うゲサク

明るく元気に振る舞うキョウコですが、生い立ちは少々複雑。巡業先で座長が女に手をつけて産ませた子だそうで、今はゲサクが親の代わりとなり、旅を続けているようです。

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そんなキョウコですが、お客の前では立派にゲサクの相方を務めます。持ち芸は「乞食踊り」!チラリズムの踊りを披露し、食料となる干し芋をもらい、小銭をしっかり稼ぎます。

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▲キョウコの「乞食踊り」

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カンカン鐘を鳴らし、トントコ太鼓を叩けば、どこからともなくお客が顔を出し寄ってきます。ゲサクの「ヨイヤノサッサ!」の掛け声とデタラメな歌に合わせて、ええかげんな踊りを劇中でも披露してくれます。
 
 
最後にたきいみきから一言。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

大好きな野外劇場。

大きな、大きな、野外劇場。

室内版では、命の気配がしない世界でしたが、
野外版では、有度の森に囲まれて、どんな風にかわるのか、
私も想像がつきません。

想像がつきませんから、観るしかありません。

野外劇場「有度」にて、お待ちしてます☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
 
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▲野外劇場「有度」

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愛知県芸術劇場・SPAC共同企画
『寿歌(ほぎうた)』
演出:宮城聰、作:北村想
美術:カミイケタクヤ、照明:木藤歩
出演:SPAC/奥野晃士、春日井一平、たきいみき

【静岡公演】
日時:2018年4月28日(土)、30日(月・祝)各日18:15開演
会場:舞台芸術公園 野外劇場「有度」
*詳細はこちら

*『寿歌』公式サイトはこちら
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blog 最終更新日:2018年4月16日 5:06 PM

『寿歌』〜ワイルドな旅芸人・ゲサク(奥野晃士)〜

こんにちは。制作部の雪岡です。これからの『寿歌』ブログでは、3人の登場人物であるゲサク・キョウコ・ヤスオのキャラクターをそれぞれの見せ場と合わせてご紹介していきます。

第一回目は、奥野晃士が演じる、ワイルドなお調子者芸人のゲサク。旅の連れでもある少女・キョウコからは「ゲサクどん」の愛称でしたわれるなど、優しいハートを持つ男でもあります。

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▲ 左:ゲサク、右:キョウコ
 
元々は芸人一座として巡業し、二人の他にも劇団員がいたようですが、小屋を張っている最中にミサイルが飛んできて、一座は散り散りに…。思いもよらぬ「劇団の解散」でしたが、彼の決まり文句「トントコヨイヤー!」で気合いを注入、ド根性精神で切り抜け、生きながらえ、キョウコとともに芸人として旅を続けているようです。

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▲ ゲサクとキョウコの漫才コンビ (ボケ:キョウコ、ツッコミ:ゲサク)
 
そんな酸いも甘いも知るゲサクですが、得意の芸は、「弾丸受け止めの術」!ピストルの弾丸を心臓のわずか3cm手前で、素手にて受け止めるという驚異の技を劇中でもライブ感たっぷりに披露してくれます。

3

一発の弾丸が彼の人生を大きく揺さぶっていくことになるのですが、つづきはぜひ劇場でどうぞ!
 
 
最後に、奥野晃士から一言。
~・〜・〜・〜・〜
昭和を代表する戯曲『寿歌』という作品では、核戦争後になぜか生き残った人間たちが、荒廃した世界(関西?)でユーモアを忘れずに生きぬいている姿が独特のタッチで描かれています。

それが宮城演出によってこの上なく美しい舞台になっていると同時に、世界的に評価を受けた彼の演出が完成する以前の、あたかも少年時代の「演劇大好き宮城さん」っぷりを思わせる所が随所ににじみ出ている作品でもあります。彼の代表作『マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜』なんかと比較すると色んなことがよく分かって面白いような気がします。

また、美術家のカミイケタクヤさんが具現化させたメビウスの輪の形をしたトンガったデザインの舞台装置では、そこに立つ俳優は断崖絶壁に立たされたような緊張感が求められるし、高いテンションが必要なので、そのことも『寿歌』の作品世界をより高い次元に引き上げてくれていると思います。本番でお待ちしております!
~・〜・〜・〜・〜

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愛知県芸術劇場・SPAC共同企画
『寿歌(ほぎうた)』
演出:宮城聰、作:北村想
美術:カミイケタクヤ、照明:木藤歩
出演:SPAC/奥野晃士、春日井一平、たきいみき

【静岡公演】
日時:2018年4月28日(土)、30日(月・祝)各日18:15開演
会場:舞台芸術公園 野外劇場「有度」
*詳細はこちら

*『寿歌』公式サイトはこちら
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blog 最終更新日:2018年4月9日 1:34 PM

『シミュレイクラム/私の幻影』東京での稽古にお邪魔してきました!

桜満開、全国的に夏日となった某日、出演者のダニエル・プロイエットさんが来日し、東京都内にある小島章司フラメンコ舞踊団の稽古場でリハーサルをされるとのことで、取材の立ち合いも兼ねて見学しに行ってまいりました!

IMG_3709

小島さんのご友人が描かれたという絵画がたくさん飾られていて、異国情緒ただよう雰囲気のあるとても素敵なスタジオでした。 午前中、稽古場に到着するとダニエル・プロイエットさんがお出迎えくださり、色々とお話しを伺うことができました。 ダニエルさんは、アルゼンチン・コロン劇場のバレエ学校のご出身で、同級生には現・英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、マリアネラ・ヌニェスなど、名だたるダンサーたちと幼いころから切磋琢磨しながら、クラシックバレエを学ばれました。現在、コンテンポラリーダンサーとして第一線で活躍されていて、2012年にはシディ・ラルビ・シェルカウイによる漫画家・手塚治虫をモチーフにした作品『TeZukA』に出演し、その名を日本でも広く知らしめました。 その『TeZukA』のなかで、ダニエルさんはピノコや奇子(あやこ)といった女の子のキャラクターを演じることが多かったらしく、それを観た日本のプロデューサーの方より歌舞伎舞踊の女形を勧められて、それ以降ライフワークとしてずっと続けていらっしゃるそうです。 そんなダニエルさんは、振付家としても注目を集めており、同じく5月に、東京・オーチャードホールで開催されるウィーン国立バレエ団のヌレエフ・ガラで振付を手掛けた作品が上演されるとのこと。http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/18_wiener/

午後には、小島章司さんも稽古場にいらっしゃり、『シミュレイクラム/私の幻影』のワンシーンを稽古。

IMG_3707

これまで、ノルウェー・オスロ、アメリカ・ヒューストン、そしてフランス・パリでこの作品は上演されましたが、それぞれの国の言葉を組み込んできたらしく、今回は小島さんだけでなくダニエルさんも日本語で台詞を喋ります。そのシーンをちょっと見せていただきましたが、とてもお上手!2012年以来、度々来日されて藤間流の教室でお稽古を受けていらっしゃることもあり、その場にいる誰よりも“日本人”らしいオーラが漂っていました。 小島さんも「70代後半になった自分に新しい刺激を与えてくれる」と仰っていましたが、2012年にダニエルさんと演出のアランさんと出会って以降、ノルウェーやフランス、アメリカでワークショップやクリエーションを行い、作中では日本語のみならず、スペイン語、フランス語、英語で台詞を喋るなど、新しい挑戦をたくさんされたのだとか。 そんな小島章司さんよりメッセージをいただいていますのでご覧ください♪

2016年の初演から各国を巡演し、進化(深化)し続けている『シミュレイクラム/私の幻影』に、乞うご期待ください!

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『シミュレイクラム/私の幻影』
演出・振付:アラン・ルシアン・オイエン
歌舞伎舞踊振付/音楽『Natsue』:藤間勘十郎
出演・振付:小島章司、ダニエル・プロイエット
製作:ウィンター・ゲスツ
5月3日(木・祝)12:30開演、4日(金・祝)12:30開演
静岡芸術劇場
*詳細はこちら
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